鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

駐車場の管理人さん

[要旨]

作家の福島正伸さんは、前向きに仕事をしている駐車場の管理人さんを見て、仕事が面白いかどうかは、その仕事の内容ではなく、仕事に関わる人の姿勢で決まる、したがって、つまらない仕事はない、と考えるようになったそうです。


[本文]

自立型人材の育成を行っている、アントレプレナーセンターの社長の福島正伸さんのご著書、「どんな仕事も楽しくなる3つの物語」の冒頭に、駐車場の管理人さんの話が書かれています。これは有名なお話なので、多くの方がご存知と思いますが、概要は次のとおりです。福島さんは、かつて、新宿に事務所があり、その近所の駐車場に自動車を停めていたそうです。その駐車場の管理人さんは、いつも「おはようございます」と元気にあいさつをしてくれたり、雨の日に、傘を忘れた福島さんに、「どうぞ使ってください」と、自分の傘を貸してくれたりしたそうです。

特に、その駐車場は、近くに駐車場がないことから、いつも混んでいて、満車のときは、利用しようとして当てが外れた人から苦情を言われることが多かったようです。しかし、その管理人さんは、丁寧にお詫びをしていたそうですが、それを見ていた福島さんは、「給料は変わらないのだから、そこまでしなくても…」と思っていたそうです。ところが、あるとき、管理人さんが、ご夫人の病気の療養のために引っ越すことになり、駐車場の仕事も今週で辞めることになったと、福島さんがきいたそうです。

そこで、最後の勤務日の時、お礼の品を管理人さんに渡そうと、駐車場の管理人室に福島さんが行ったところ、他にもたくさんの人が来ていて、管理人さんとの別れを惜しんでいたそうです。それを見て、福島さんは、自分と同じように管理人さんを慕っていた人がたくさんいたということが分かったそうです。そして、その様子を見た福島さんは、仕事が面白いかどうかは、その仕事の内容ではなく、仕事に関わる人の姿勢で決まる、したがって、つまらない仕事はない、と考えるようになったそうです。

私は、この話からは、いろいろなことを学ぶことができると思います。私の場合、よく、割の合わない仕事を引き受けざるをえなくなったとき、この管理人さんの話を思い出すようにしています。一見すると、損をしているように感じるかもしれない仕事であっても、前向きに取り組んでいれば、いつか、そのような姿勢が評価されたり、よい成果につながることになるかもしれないと、感じることができるようになってきます。

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