鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

連帯保証人なしの融資を銀行は嫌がるか?

先日、経営コンサルタントの小山昇さんが

ホストを務めるラジオ番組にゲスト出演し

ていた、群馬県太田市に本社のあるプリマ

ベーラの社長、吉川充秀さんのお話を聴き

ました。


(ご参考→ https://bit.ly/38tIPi9


吉川さんは、かつて、新店舗の出店資金を

調達するために、地元の地方銀行に融資を

申し込んだそうです。


これに対して、銀行は融資に応じると回答

したそうですが、吉川さんが連帯保証人に

なることを条件としたそうです。


そこで、吉川さんは会計事務所に相談した

ところ、会計事務所からはどの会社の社長

も融資を受けるときは社長は連帯保証人に

なっているから大丈夫と言われ、銀行の要

求通り、吉川さんは連帯保証人になったそ

うです。


しかし、そのことに対し、「もしかした

ら、自分は銀行に騙されているのかもしれ

ない」と疑問を感じていた吉川さんは、小

山さんに顧問コンサルタントになってもら

い、小山さんの指導にしたがって、銀行へ

の定期訪問を行ったり、事業計画発表会を

行ったりしたことで、現在は、すべての取

引銀行10社から、無担保・無保証人の条

件で融資を受けられるようになったそうで

す。


この吉川さんの経験を聴くと、「銀行は、

事業経験の浅い経営者をうまくいいくるめ

て、自社のいいように、連帯保証人にさせ

ている」と考える方もいるのではないかと

思います。


でも、私が銀行に勤務していた経験から感

じることは、実際はその逆だと思っていま

す。


というのは、もし、あなたが銀行の融資担

当者だったとしたら、「銀行訪問に定期訪

問してくれたり、事業計画を作成し、その

発表会に、毎年、銀行を招いてくれたりす

るけれど、社長が連帯保証人になってもら

えない会社」と、「社長が連帯保証人に

なってくれるけれど、社長にはなかなか会

うことができず、事業計画も作成されてい

ない会社」のどちらに融資をしたいと思う

でしょうか?


もちろん前者でしょう。


銀行が融資をするときの最大の関心事は、

融資相手の会社の経営者に連帯保証人に

なってもらえるかどうかではなく、融資し

たお金が確実に返って来るかどうかです。


ですから、小山さんが吉川さんに行った指

導は、銀行にとって魅力を感じる会社にな

るということと言えます。


そういう面では、小山さんの教えは、銀行

が嫌がるどころか歓迎するものであるとい

うわけですが、銀行から融資を受けている

会社のうち、銀行に定期的に訪問したり、

事業計画を作って発表したりしている会社

は、極めて少数のようです。


厳しい言い方ですが、むしろ、連帯保証人

が必要な状況を作っているのは、融資を受

けている側ではないかと、私は考えていま

す。




※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/





f:id:rokkakuakio:20200120201445j:plain