鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

マネジメント層の構造(1)

[要旨]

株式会社の経営者である取締役の役割は、意思決定、業務執行、監督の3つが主なものです。


[本文]

私は、ときどき、「社長とCEOの違いは何?」ときかれることがあるのですが、今回から、数回に分けて、その質問への回答を述べていきたいと思います。社長とCEOの違いについて、1回で説明しないのは、まず、経営者の役割について理解してもらってからでないと、それについても理解していただくことができないと思っているからです。

ということで、今回は、経営者の役割について説明します。経営者の役割については、わざわざ説明するまでもないように考えている方も多いと思いますが、改めて説明しようとすると、すぐに思いつかない方も多いと思います。というのは、経営者を、組織のリーダーとして見ている方が多いからだと思います。しかし、株式会社という機関として見る場合、単に、リーダーとしてだけでなく、もう少し詳しい説明が必要です。

これについて、結論から述べると、意思決定、業務執行、監督の3つです。意思決定とは、会社の運営上、必要な意思決定です。例えば、どのような経営理念に基づいて事業を行うか、どのような事業戦略や事業計画に基づいて事業活動を行うかなどを決めます。なお、会社法では、取締役会の決議事項として、代表取締役の選定・解職、株主総会の召集、計算書類の承認などが規定されていますが、ここでは、会社法の規定に限定せず、もっと広い意味での意思決定としてとらえてください。

業務執行とは、事業活動を行う上での指揮を執ることで、これについては、多くの方がイメージするとおりです。(ただし、社外取締役取締役会設置会社で、代表取締役、または、業務執行取締役に選任されなかった取締役、監査等委員会設置会社の監査等委員である取締役、指名委員会等設置会社の取締役などは、業務執行は行いません)監督とは、他の取締役や従業員などが、きちんと事業活動を行っているか、法令違反をしていないかなどを監視することです。この続きは、次回、説明します。

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