鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社外取締役

先日、ライザップの役員に関する報道を読

みました。


(ご参考→ https://goo.gl/oZRmwh


すなわち、「(現在は)9人いる社内の取

締役を松本氏と瀬戸健社長の2人に大幅に

減らし、3人の社外取締役が取締役会の過

半を占めるようにする」というものです。


この記事を読んで、ライザップのことはさ

ておき、「社外取締役を取締役会の過半を

占めるようにする」ということについて気

になったので、(法律的な面ではなく、経

営的な面で)ここで述べたいと思います。


社外取締役は、会社法第2条第15項で定

義されており、分かりやすくいえば、その

会社や子会社の役員や従業員になったこと

がない取締役です。


ここで、ありていに言えば、「ほとんど自

社に関わったことがない、すなわち、自社

のことをよく分かっていない人が取締役に

なることは、あまり意味がないのではない

か」と考える人もいると思います。


私は、その考え方は正しいと思います。


ただ、その場合の「取締役」は業務執行を

担う取締役を前提としていると思います。


社外取締役は、前述の会社法第2条第15

項で、業務執行を担わない取締役(非業務

執行取締役)と規定されているので、主に

方針決定や業務執行の監督を担う役割が期

待されています。


かつての取締役は、方針決定、監督、業務

執行のすべてを担う役割を持つ人とされて

いましたが、最近は、社外取締役のような

非業務執行取締役も定めることができるよ

うになりました。


(論理的には、社外取締役でない非業務執

行取締役を選任することも可能ですが、実

質的には、社外取締役=非業務執行取締役

と言えるでしょう)


今回、ライザップの報道について取り上げ

たのは、取締役というと業務執行をする役

割を持っている人というイメージが強いと

思いますが、取締役であっても、必ずしも

業務執行を担う役割をもっていない取締役

もいるということをお伝えしたかったから

です。


逆を言えば、業務執行取締役は、業務執行

しか行わず、方針決定や監督はしなくてす

むのかというと、業務執行取締役であって

も、方針決定と監督の役割は担わなければ

なりません。


むしろ、これまでの取締役は、業務執行や

方針決定にばかり注力して、監督の役割に

はあまり注力して来なかった方が多いので

はないでしょうか?


だからこそ、あえて、方針決定や監督に専

念する社外取締役を、大企業等に実質的に

義務付けられるようになったのでしょう。


今回の記事の結論は、非業務執行取締役を

除き、取締役には方針決定、監督、業務執

行の3つの役割があるので、特に、監督の

業務を怠ることのないように留意すべきと

いうことです。


もし、代表取締役の方が、業務執行に軸足

を置きたいと考える場合は、非業務執行取

締役を定め、監督に専念してもらうことに

よって、会社運営をバランスのとれたもの

にすることができるようになるでしょう。


(この記事では、理解を容易にするため、

正確さを犠牲にした記述にしてありますこ

とをご了承ください)

 

 

 

 

 

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