鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

本業転換は必要でないときから準備する

早稲田大学の山田英夫教授らの著書、「本

業転換」を読みました。


(ご参考→ https://amzn.to/2oDa2NM


この本は、「本業転換に成功した会社と、

うまくいかなかった会社の戦略を対比させ

ることによって、本業転換のポイントを導

き出す」ことを狙って書かれた本だそうで

す。


同書では、多くの会社の事例を基に、本業

転換がうまくいかなかった会社の特徴をあ

ぶりだしていますが、そのひとつの例とし

て、カネボウについては、次のような要因

を挙げています。


(1)わずか5年という短期間に、3つの

異業種に多角化したが、それが経営資源

拡散させてしまい、各事業への資源配分が

薄くなった。


(2)異業種への進出は、M&Aによって

行ったが、本業の繊維と技術面の関連が薄

い事業が多かった。


同社の事例のほか、多くの会社の事例の分

析結果から、山田教授は、本業転換を成功

させるには、「どの事業を選ぶか」と「新

事業の開始時期」という2つの視点が重要

であると述べておられます。


この結論も、多くの方が、感覚的に理解で

きるものですが、私は、「新事業の開始時

期」、すなわち、タイミングについて注目

しました。


山田教授は、「『本業転換の必要がない時

に、本業転換の準備を始めること』がタイ

ミング的にはベスト」と、述べておられま

す。


実は、これは、ある意味で結果論とも言え

る面があるので、判断が難しいものです。


同書では、本業転換に成功した事例とし

て、大塚製薬(現在の大塚ホールディング

ス)を挙げていますが、同社は、輸液(点

滴の薬)の圧倒的シェアを誇っていたとき

に、ポカリスエットファイブミニ、カロ

リーメイトなどの製品を開発しています。


これは、現在となっては成功事例と言える

のですが、業界で圧倒的なシェアがあると

きに、新製品の開発が必要と判断すること

は、「失敗したら責任が問われる」などの

心理的なプレッシャーなどから、なかなか

難しいと言えます。


でも、自社の状況を慢心せずに、あえて難

しいことに挑もうとする姿勢が、後になっ

て成功事例として結実したのだと、私は考

えています。


今回の記事の結論は、本業転換を成功させ

ている会社は、まさに「本業転換の必要が

ない時に、本業転換の準備を始めている」

ということであり、これは、以前ご紹介し

た、ダム式経営に通じる考え方なのだと思

います。


(ご参考→ https://bit.ly/329cU3H


むしろ、「本業の先行きが怪しくなってき

た」と感じてから本業転換を考え始めても

遅いということであり、それが、長く続く

会社とそうでない会社の分け目なのだと思

います。




※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/




f:id:rokkakuakio:20191012105936j:plain

 


●10月21日ランチ会兼勉強会のお知らせ

 

10月21日(月)12時00分から、東

京都千代田区秋葉原駅の近くのレストラ

ンで、少人数に限定して、昼食をとりなが

らの融資に関する勉強会を開きたいと思い

ます。

 

■日時:令和元年10月21日(月)

12時00分~14時00分


■会場:和食ダイニングまぐろ問屋十代目

彌左エ門 アトレ秋葉原2店

東京都千代田区神田花岡町1-9

アトレ秋葉原2 4階


JR秋葉原駅昭和通り口を出て、すぐ左側

にあるエレベーターで4階に上がってくだ

さい。


東京メトロ日比谷線をご利用の場合、秋葉

原駅3番出口を出ると、正面にエレベータ

ーが見えます。


地図→ https://bit.ly/2lV8tZO

 

■参加費:1,000円(消費税込み)

当日、会場でお申し受けします。


別途、お食事をご注文し、各自、ご精算く

ださい。


■その他:食事をオーダーするという条件

を満たしていただければ、遅れての参加、

中途での退室は可能です。当日は、ご参加

いただいた方からの質問もお受けします。


■参加申し込み方法:フェイスブックイベ

ントページで、「参加」ボタンを押してく

ださい。→

https://www.facebook.com/events/489330015247993/