鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社長は社員に模範を示す立場

先日、経済評論家の山崎元さんが、経営者

の責任に関して述べておられた、ダイヤモ

ンドの記事を読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/3191Oui


山崎さんは、ある電力会社の経営者につい

て、次のように批判していました。


「例えば、同じような金品の授受を行って

いたことが社内調査で発覚した場合、一般

社員は間違いなくクビだろう。


通常の会社なら、懲戒免職になって退職金

も受け取れまい。(中略)


かつて、社長は『社員の長』だったので、

社員に模範を示す立場であり、社員が行っ

てはいけないような行為が発覚した場合、

即刻辞任することが社内秩序の上からも

当然だった。(中略)


経営幹部がこのまま居座り続けて、社内は

士気が保つのか、という疑問が湧く」


この電力会社の経営者については、法令、

社会的道徳など、さまざまな面から批判が

ありますが、今回、私が山崎さんの記事に

ついて言及した理由は、この電力会社の経

営者を批判するためではありません。


山崎さんの記事の、「経営幹部がこのまま

居座り続けて、社内は士気が保つのか、と

いう疑問が湧く」という部分を読んで、溜

飲が下がったからです。


事実として、この電力会社の経営者は、従

業員であれば解雇されるような行為をして

おきながら、当初は自らは身を引こうとせ

ず、外部からの批判によって、ようやく辞

任を表明しました。


(この事件については、経営者たちがなか

なか金品の受領を断ることができなかった

という特殊な事情があるということもきい

ており、それを私も理解していますが、文

字数の兼ね合いで、ここではその事情につ

いて言及することは割愛します)


繰り返しになりますが、袖の下を受け取る

ことはしてはならないことに、理由を説明

する必要はないと思いますが、会社のトッ

プがそれをしてしまったのであれば、次に

考えるべきことは、山崎さんのご指摘のよ

うに、従業員たちの士気を下げないように

することだと思います。


ちょっと偉そうに書きますが、この電力会

社の経営者が法令違反をしたことは、それ

はそれで罪がありますが、経営コンサルタ

ントの視点からは、「従業員なら解雇され

るようなことをしておきながら、なぜ、経

営者は自ら罰を受け入れるということを、

従業員たちに示さなかったのか」と、感じ

ています。


経営者も生身の人間なので、100%聖人

君子ではないと思いますが、この電力会社

の経営者たちは、本人たちがどう認識して

いたかは別として、従業員から見れば、士

気が下がるような姿勢をとったことになる

と思います。


私は、この電力会社の事件は、実は、にわ

とりとたまごの関係にあり、経営者が法令

違反をした結果、それが従業員の模範にな

らなかったのではなく、もともと経営者は

特別な立場だと考えている人が経営者に就

いてしまったので、「自分は経営者だから

何をしても大丈夫だ」と考え、金品を受領

してしまったのだと、私は考えています。


本人たちは、自分の意思に反して金品を受

け取らざるを得なかったたと弁明していま

すが、一方で、この問題に対して組織的な

対応をしなかったり、昨年9月に出された

この事件に関する社内調査の結果について

は、監査役にのみ報告し、取締役会や当局

には報告していなかったりと、稚拙な対応

しかしていません。


確かに、この事件については、当事者は難

しい決断をせざるを得なかったと思います

が、経営者としての驕りがあったことが、

誤った判断につながったことは間違いない

と私は考えています。


いわゆるオーナー会では、社長は会社の中

で絶大な権限を持っていますが、業績のよ

いオーナー会社では、社長は決して驕るこ

となく、従業員の士気がさがらないよう、

常に多くの労力を割いています。


事業はひとりで行うものではなく、組織的

な活動ですから、組織の統率がうまくとれ

なければ事業もうまくいかないということ

は、言うまでもありません。


それが分かっているからこそ、オーナー会

社の社長は、従業員の前では、権力を笠に

着て驕るようなことは、決してしないので

しょう。


一方で、この電力会社の経営者は、そのよ

うな思いが頭にはなかったため、金品授受

の問題について真剣に対応しなかったので

はないかということが、今回の記事の結論

です。




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●10月21日ランチ会兼勉強会のお知らせ

 

10月21日(月)12時00分から、東

京都千代田区秋葉原駅の近くのレストラ

ンで、少人数に限定して、昼食をとりなが

らの融資に関する勉強会を開きたいと思い

ます。

 

■日時:令和元年10月21日(月)

12時00分~14時00分


■会場:和食ダイニングまぐろ問屋十代目

彌左エ門 アトレ秋葉原2店

東京都千代田区神田花岡町1-9

アトレ秋葉原2 4階


JR秋葉原駅昭和通り口を出て、すぐ左側

にあるエレベーターで4階に上がってくだ

さい。


東京メトロ日比谷線をご利用の場合、秋葉

原駅3番出口を出ると、正面にエレベータ

ーが見えます。


地図→ https://bit.ly/2lV8tZO

 

■参加費:1,000円(消費税込み)

当日、会場でお申し受けします。


別途、お食事をご注文し、各自、ご精算く

ださい。


■その他:食事をオーダーするという条件

を満たしていただければ、遅れての参加、

中途での退室は可能です。当日は、ご参加

いただいた方からの質問もお受けします。


■参加申し込み方法:フェイスブックイベ

ントページで、「参加」ボタンを押してく

ださい。→

https://www.facebook.com/events/489330015247993/