鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

金融緩和では融資は伸びない

先日、早稲田大学の小倉義明教授がダイヤ

モンドに寄稿した記事を読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/32S9UcK


記事の要旨は次の通りです。


すなわち、2004年以降、銀行の貸出利

鞘は縮小している。


都市銀行の場合、2004年は約0.8

%の利鞘が2017年は約0.3%に縮小

している)


ところが、人口減少の著しい地域ほど、資

金需要も縮小しており、その結果、信用コ

ストの大きい融資(業績の悪い会社への融

資)を増やしている傾向にある。


そして、日本銀行が異次元緩和を始める直

前の2013年3月から、2019年3月

までの6年間で、銀行の事業性融資は、約

54兆円増加しているが、そのうち約4割

の21兆円は、いわゆる不動産投資を含む

不動産業向けの融資となっている、という

ものです。


私は、この小倉教授の指摘を踏まえ、資金

供給者としての銀行は減る以外の選択はな

いと考えています。


というのは、これまでは、銀行はコンサル

ティング機能を発揮し、地方都市での資金

需要を増やすことで活路を見出すべきとの

金融庁の意向がありました。


しかし、それはミクロ経済の視点でのアプ

ローチであり、マクロ経済の視点では人口

減少が続いており、仮に個々の会社の事業

者としてのスキルが高くなったとしても、

パイは大きくなることはなく、全体として

資金需要は増えないからです。


本題からやや話がそれますが、日本銀行

異次元緩和も、金利が下がれば民間での設

備投資が刺激されるという伝統的な考え方

のものとに行われてきましたが、実態とし

インフレ目標の2%が6年経っても達成

できない理由は、前述の人口減少の環境に

あっては、資金が供給過剰になっているか

らであって、インフレ率が高くならないこ

とは当然です。


今回の記事の結論は、いままで、多くの国

民は、異次元緩和や銀行のコンサルティン

グ機能の発揮で、地方経済が活性化される

という政府の目標に期待してきた面もある

と思いますが、それはあまり現実的でない

ということが、(特に、スルガ銀行の不正

融資問題をきっかけに)露呈しつつあると

いうことです。


したがって、これから銀行の統合・合併は

ますます拍車がかかって行くということを

小倉教授の記事を読んであらためて感じま

した。

 

 

 

 

 

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