鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ひとつの財布

先日、中小企業診断士の川北英貴さんのブ

ログを読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/2xna9xW


記事の主旨は、会社経営者が、会社名義の

預金口座のキャッシュカードを持ち歩き、

経営者の生活費のために会社の口座から現

金を引き出すことがある。


このようなことをすると、会社の帳簿は、

口座から現金が引き出されたまま、会社が

それを持っているものとして処理されるの

で、貸借対照表には多額の現金が計上され

たままになる。


しかし、実態は、会社に現金はない上に、

会社の資金繰を悪化させることになる、と

いうものです。


本題からそれますが、このように「会社の

財布」と「経営者の財布」がひとつの状態

の会社、すなわち、経営者が公私混同をし

ている会社は、銀行からすれば、融資をす

るときに、経営者に保証人になってもらわ

なくてはなりません。


それは、融資の回収にあたって経営者の財

産をあてにするということではなく、銀行

が融資したお金を経営者が流用している可

能性が高いので、経営者にも責任を負って

もらうことで一定の歯止めをかけようとい

う意図と、「財布がひとつ」なのだから、

その財布を使っている会社と経営者の両者

が、融資の返済の責任を負うべきという考

えによるものです。


また、経営者による会社の資金の私的流用

が著しい場合は、事業のために行った融資

に関し、契約に違反する行為と判断され、

融資をただちに全額返済するよう銀行から

請求される可能性があります。


話をもどして、私は、川北さんのブログで

のご主張について、何も付け加えることは

ありません。


では、なぜ川北のブログをご紹介したのか

というと、せっかく「会社を設立」した、

すなわち、事業と経営者の私生活を明確に

分離するしくみをつくったのに、なぜ「財

布をひとつ」にしてしまうのか、不思議に

思ったからです。


私が、創業者の方からよく聞く話に、「会

社を設立せずに、個人事業主として開業す

ると、顧客から信用されないので、会社を

設立する」というものがあります。


そのような事情は実際にあるようですし、

その対策として会社を設立して事業を始め

ることは、何の問題もありません。


また、そのような理由だけでなく、会社を

設立した方は、それなりの理由があるはず

です。


確かに、すべての経営者がこのようなこと

をするとは限りませんが、せっかく会社を

作ったのに、「財布をひとつ」にしてしま

うことは、私にとってはとても不思議です

し、もったいないことだと思います。


川北さんのご指摘のように、公私混同は好

ましくないことですが、その前に、何のた

めに会社を設立したのか、よくわからない

ようなことをしてしまう経営者は、そもそ

も経営者としてのセンスがないのではない

のかと、私は考えています。

 

 

 

 

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