先日、読売新聞に、中小企業の経営者が交
代する際に、後継者には、原則、保証を求
めない仕組みづくりに、政府が乗り出すと
の記事が載っていました。
(ご参考→ https://bit.ly/2W2OWTF )
この政府方針の主旨は、経営を引き継ぐ社
長が、会社の融資について個人保証を条件
とされることで、それを躊躇し、事業承継
が円滑に進まなくなることを防ごうとする
ものであり、私もその意義は大きいと思い
ます。
しかし、金融庁が今年の4月に公表した、
「地域銀行に対する『経営者保証に関する
ガイドライン』のアンケート調査の結果」
にもあるように、銀行が経営者保証を求め
る理由は、「回収を前提とした保全として
の役割よりも、規律付けの役割を期待して
いる」、すなわち、銀行は経営者の資産で
融資資金を回収しようとしているのではな
く、経営者が公私混同をしたり、放漫経営
をしたりしないようにすることが主な目的
です。
(ご参考→ https://bit.ly/2X6uhPx )
これを言い換えれば、銀行は、経営を引き
継いだ社長からの保証を必ずしも求めよう
とはしていないものの、少なくとも、経営
者が公私混同をしていないことが分かるよ
うに、適時に財務状況を提供できる体制で
なければ、保証なしの融資取引には応じる
ことが難しいということになります。
繰り返しになりますが、私も銀行が中小企
業に融資を求めないようになることが望ま
しいと考えていますが、それは、単に銀行
が保証を求めなくなりさえすればよいとい
うことではなく、融資を受ける会社側も、
経営者が公私混同をしていないことを銀行
に理解してもらえる体制にする必要がある
ということです。
その一方で、残念ながら、月次試算表を翌
月上旬までに作成している会社は少数のよ
うです。
今後、銀行が保証人を条件としない融資を
することが増えてくると、月次試算表を作
成していない会社は、「あなたの会社は公
私混同をしている可能性があるので、融資
に応じることはできません」と、融資を断
られるようになるかもしれません。
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