私は事業改善をお手伝いする会社に、
「組織としての力を高めましょう」と
お伝えしています。
ただ、組織の力が強い状態とはどういう
状態なのかということは分かりにくい
ものです。
そこで、私は「経営品質の成熟度」
(以下、単に「成熟度」と記します)で
説明しています。
これは、経営コンサルタントの望月広愛
さんのご著書「文句ばかりの会社は儲から
ない!」( http://amzn.to/2fiuPhw )に
書かれていたものです。
この成熟度では、リーダーシップ、社会的
責任、顧客対等などでそれぞれA~Dの
4つのレベルで成熟度が示されています。
例として、これらの中から、ひとつ、
リーダーシップについて引用します。
Dレベル:おれの言うとおりにやれ。
Cレベル:売上・利益をあげろ。
Bレベル:価値をつくろう。
Aレベル:価値創造のしくみをつくろう。
レベルDからAに行くにしたがって、
組織的な活動をしている会社のリーダー
シップになっていくということがご理解
いただけると思います。
そして、Aレベルのようになることが
組織として高い能力をもち、難しい
課題も解決できることになることから、
Aレベルの状態を目指すことを説明
しています。
もちろん、経営資源の少ない中小企業
では、いきなりAレベルの状態になる
ことはできません。
そこで、長期的な計画のもとにレベルを
高めていくための活動を続けていくことに
なります。
(ただし、その活動の具体的な内容に
ついては、文字数の兼ね合いで、別の
機会に述べたいと思います)
ただ、経営者の方の中には、単純に、
売上が上がればよいと考えている方も
少なくないのも事実です。
特に、創業後、間もない会社は、売上の
確保で精一杯という状態が続くでしょう。
しかし、それは、事業をまわすということ
だけにしか注力しておらず、それだけでは
組織的な活動が行われていることにはなり
ません。
短期的には問題がないように思えますが、
前述の通り、長期的には組織的な活動が
できない組織は、難しい課題を克服する
ことができなくなります。
事業は、オペレーションとマネジメントの
両方が大切なのですが、どちらかというと
抽象的であり、一朝一夕には高めることが
難しいマネジメントに関心を持つ方は
少ないようです。
まだ、自社が組織的な活動が十分でないと
感じている経営者の方は、ぜひ、成熟度を
高める活動に取り組むことをお薦めしたい
と思います。