鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

本願ぼこり

私が、経営者の方からのご相談を受けてい

て、しばしば、「本願ぼこり」を思い起こ

すことがあります。


「本願ぼこり」は私が説明するまでもあり

ませんが、浄土真宗を開いた親鸞が、「悪

人こそが、阿弥陀仏の本願により救済され

る」と説いた「悪人正機」の考え方を曲解

し、「どんな悪いことをしても浄土に往生

できる」と考えてしまうことです。


では、私がどういうときに「本願ぼこり」

を思い起こすかというと、例えば、「毎日

ブログを書き続ければ、顧客が増えると聞

いたので、1か月間、ブログを書いてみた

が、顧客は増えなかった」というようなも

のです。


このような人は、「ブログを書けば、顧客

を増やすための努力をしなくてすむ」と考

えている人だと思います。


本来なら、ブログで情報発信を行い、経営

者と同じ価値観を持つ人を増やし、顧客に

つなげていくという活動をしなければなら

ないのに、ブログを書くことそのものを目

的にしてしまうと、顧客を増やすという本

当の目的は達成できなくなってしまうので

しょう。


このような思い違いをしてしまう人に対し

ては、「目的を取り違えることが問題であ

る」、「楽をして顧客を増やそうとしてい

る」などということを指摘することもでき

ますが、私がもっと問題であると考えるこ

とは、「ブログを書くことと、顧客が増え

ることの因果関係を理解していない」こと

だと思います。


したがって、そのような人は、顧客を増や

すための努力をしているようなポーズはと

りますが、結局は、運任せの活動に留まっ

てしまうのでしょう。


運任せの人が成功しないとは言い切れませ

んが、事業活動を運任せにせずに愚直に努

力をする人とは、自ずと結果が異なってく

ることは当然のことだと思います。


すなわち、繰り返しになりますが、ブログ

を書くことを免罪符のようにして、売上を

増やすための努力を避けてしまっては、う

まく行くものもうまく行かなくなるという

ことです。


ちなみに、親鸞の教えが書かれている歎異

抄によれば、「『本願ぼこりの人は救われ

ない』と考えることは誤りである」と書か

れているそうですので、念のために付言し

ておきます。



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もうからない客をもうかる客にする

きょうは30日、明日は31日ですが、月

末になると私が思い出すことがあります。


いまではだいぶ緩和されてきているようで

すが、私が銀行に勤務していた20年くら

い前までは、月末は、たくさんの顧客が銀

行の店舗に訪れました。


その顧客の用件は、送金の依頼や、手形決

済のための当座預金への現金の預け入れも

ありましたが、ATMでの現金の引き出し

が最も多いようでした。


当然、来店者数が多いと、銀行職員は顧客

対応のために、ずっと店頭にはりついたま

まになります。


でも、このように述べることは失礼なので

すが、送金や現金の出し入れは、正直なと

ころ、銀行からみてあまり収益にはならな

い業務なので、月末の銀行は混んでいたと

しても、あまりもうからない顧客で混んで

いたということです。


しかし、そのような状況の緩和に貢献した

のが、2001年に開業したセブン銀行

す。


セブン銀行は銀行でありながら、多くの方

がご存知のように、ATMの活用で収益を

得るという、それまでにはない手法を使っ

ています。


具体的には、同社の2018年3月期の経

常収益(一般の会社の売上高)は、約1,

473億円ですが、このうち、ATM受入

手数料(他の銀行の預金者が、自社のAT

Mを利用した時、その利用者の取引銀行か

ら徴収する手数料で、1回あたり約200

円と言われています)は約1,353億円

と、約92%にもなります。


すなわち、同社は、実質的には、他の銀行

の現金支払代行会社になっていると言えま

す。


もちろん、このようなセブン銀行とほかの

銀行の関係は、Win-Winの関係にあ

り、例えば、「三菱UFJ銀行は5月1日

から、コンビニエンスストアにあるATM

での現金の引き出しや預け入れにかかる手

数料を見直し、自社のATMが混雑する毎

月25日と月末日は手数料を引き下げ、現

在110円かかる日中は無料、220円の

夜間などは110円にする」と報道されて

いることからもわかります。


(ご参考→ https://s.nikkei.com/2RyDiRC


このように、一般の銀行にとってあまりも

うからない、繁忙期に来店する顧客を、セ

ブン銀行は収益源にしています。


このような例は、ほかになかなか見つから

ないのですが、私は、九州旅客鉄道が運行

する周遊型臨時寝台列車ななつ星が、そ

の例のひとつではないかと思っています。


ななつ星の場合、もうからない客ではな

く、もうからない路線でもうけている列車

だと思います。


では、今回の記事の結論は何かというと、

他社にとってはもうからないことを、自社

のもうけにすることができる場合もあると

いうことです。


でも、そうは言っても、それはコロンブス

のたまご的なもので、なかなかみつからな

いのが実情です。


だからこそ、経営者の方は感度の高いアン

テナをはることが大切なのだということ

を、私はコンビニエンスストアのATMを

見るたびに感じています。

 

 

 

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初志貫徹

先日、経営コンサルタントの一圓克彦さん

メールマガジンを読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/30Y3AQh


要旨は、「前回のメールマガジンで、一圓

さんが配信しているYoutubeチャン

ネルの登録者が2,000人を超えたと、

『ドヤ顔』で書いたが、実際は、チャンネ

ル登録数が2,000人を超えるチャンネ

ルは珍しくなく、2,000人を超えたこ

とを自慢そうに書くことは、本当は恥ずか

しかった。


しかし、チャンネル登録者数が2,000

人を超えていることを評価してくれる人も

たくさんおり、前回のメールマガジンの配

信後、登録者数が20人増えた。


したがって、ビジネスにおいて『恥ずかし

い』という気持ちを持つことはあまり賢明

ではなく、アピールできることは思い切っ

てアピールすべき」というものです。


私も一圓さんと同じ考えであり、多くの方

もこのことはご理解されると思います。


ただ、今回、一圓さんのメールマガジン

引用したことには理由があります。


私も記事の配信回数は1,100回を超え

ていますが、配信を続けるために最も労力

をかけていることは、「恥ずかしい」とい

う気持ちを抑えることだからです。


記事を書く労力がたいへんとか、ネタを切

らさないようにすることがたいへんという

ものもありますが、それらは2番目、3番

目の要因です。


冷静に考えれば、私のような無名なもの

が、仮に間違ったことを知ったかぶりをし

て書いたとしても、誰も気に留めないと思

うのですが、書いている側とすれば、「今

回書いた記事に、もし、間違っていること

が書かれていて、誰かに指摘されたり、笑

われたりしたらどうしよう」と思いなが

ら、毎回、記事を配信しています。


記事の配信をするときは、ある程度、恥を

書くことになることも覚悟しなければなら

ないということは、記事の配信を続けて行

こうと決めた時点でわかってはいたのです

が、これに最も労力が必要ということは、

3年以上配信を続けて来て、実体験でわか

りました。


そこで、結論ですが、何かをやろうとする

とき、物理的な時間、ネタも必要ですが、

意思の強さがいちばん大切なのではないか

ということです。


「初志貫徹」という格言は、多くの方が何

万回と聴いていると思いますが、これが意

外と厄介ですので、これから何かにチャレ

ンジしようとしている方は、私の経験をご

参考に、決意をより強く持っていただきた

いと思いました。




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事業計画は画餅か?

富山県高岡市にある鋳物メーカー、能作の

社長、能作克治さんへのインタビュー記事

が、ダイヤモンドオンラインに載っていま

した。


(ご参考→ https://bit.ly/3aKo6s3


記事によれば、同社では、従業員向けの教

育や研修をしていないそうですが、従業員

の方から、「社外でこんな勉強会があるの

ですが、どうしても行きたいんです」とい

う提案があったときは、能作さんは一切反

対せずに、どんどん参加させているそうで

す。


ちなみに、能作さんは2002年に社長に

就任しているそうですが、現在、同社は、

その時と比較して、売上高が10倍、従業

員数が15倍と、大きく成長しているそう

です。


ところで、私のことで恐縮ですが、私が銀

行に勤務していた時は、キャリア形成のた

めに外部研修に参加しようとすると、上司

からは、「それを受講したら、どれだけ会

社に貢献できるのだ」と、実質的には拒絶

の回答をされていました。


そこで、どうしても受講したい研修は、自

分の休暇を使い、自腹で参加費を払って参

加していたりしました。


ところが、私が上司から言われた、「その

研修を受講したら、どれだけ会社に貢献で

きるのだ」という問いですが、後から考え

て見たら、逆に、「受講したら、会社にど

れくらい貢献できるかが計測できる研修」

など、ほとんどないのではないかというこ

とに気づきました。


要は、研修費用が惜しいために、上司が私

に対して方便を使っていただけのことなの

でしょう。


だから、経営者の方が、「従業員に研修を

受講させても、直接的、かつ、迅速な効果

が得られることが期待できない」という理

由でもって研修を受講させることを避けて

いては、従業員は育成できないと言えるの

ではないかと思います。


しかし、これが今回の記事の結論ではあり

ません。


私が気になったことは、能作の従業員の方

たちは、なぜ、「社外でこんな勉強会があ

るのですが、どうしても行きたいんです」

と、社長に提案してくるのかということで

す。


もし、社長が従業員の方に研修を受講させ

たいと考えていたとしても、従業員の方が

研修を受講したいと考えなければ、社長の

思いは意味がありません。


このように述べては失礼ですが、中小企業

では、自ら研修を受けたいと考える従業員

の方は、少数派というのが実情だと思いま

す。


でも、同社ではそのような提案をしてくる

従業員の方がいるという理由は、私は、直

接、同社を取材していないので、想像でし

かないのですが、同社では権限移譲が進ん

でいるからだと思います。


前述の記事では、能作さんは、「日本の9

割の会社は事業計画のようなものを作って

いるが、そのような画餅を従業員に伝えて

も意味がない」と述べておられます。


この文章だけを見ると、能作さんは事業計

画を否定的に考えているように受け止めら

れますが、私は能作さんが否定的に考えて

いるものは、「経営者が作って従業員に押

し付ける事業計画」であって、同社では、

結果として、現場レベルでどのように事業

を進めて行くかを決めているのであり、決

して、成行で事業に臨むべきだと述べてい

るわけではないと思います。


そうでなければ、従業員の方が社外の勉強

会に参加したいと考えるような環境にはな

らないでしょう。


そこで、経営者の方が真に取り組まなけれ

ばならないことは、権限移譲を進めるとい

うことになると思います。


ただ、それは一朝一夕には進まない難しい

取組です。


では、権限移譲を確実に実践するためには

どういうことをすればよいのかというと、

話が飛躍するように思われるかもしれませ

んが、私は、BSCの導入だと考えていま

す。


なぜ、BSCを導入すると権限移譲が進む

のかということについては、別の機会に述

べたいと思います。




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意見ではなく事実で判断する

先日、経営コンサルタントの小山昇さんが

ホストを務めるラジオ番組にゲスト出演し

ていた、群馬県太田市に本社のあるプリマ

ベーラの社長、吉川充秀さんが、環境整備

(ここでは、職場の整理整頓)についてお

話しておられました。


(ご参考→ https://bit.ly/2GgZ7hZ


具体的には、「『要らないものは捨てま

しょう』と言っても、なかなか整理が進ま

なかったが、『使っていないものは捨てま

しょう』と指示したら、整理が進んだ」と

いうことです。


これは、捨てるものを「必要かどうか」と

いう基準で判断させると、その基準は個人

の意見によるものなので、捨てる判断を躊

躇してしまうが、「使っているかどうか」

という基準で判断させると、その基準は事

実に基づくものなので、捨てる判断をしや

すくなるというものです。


同様のことは、拙著、「図解でわかる在庫

管理いちばん最初に読む本」でも述べてい

るのですが、「一定期間、動きがない(出

荷・消費されたことがない)商品・製品・

材料(これを滞留在庫といいます)は、処

分すべき」であると、私は考えています。


(ご参考→ http://amzn.to/AseBrq


「一定期間」とは、会社の状況に合わせて

決定すべきことなのですが、まず、何らか

の基準を決めて、過剰な在庫を減らさない

と、かえって在庫の管理費用が増えてしま

い、会社の収益に悪影響をもたらしてしま

います。


ここで大切なことは、吉川さんが述べてい

るように、客観的な基準を作ることです。


例えば、「1年以上販売実績がない在庫は

廃棄する」という客観的な基準があれば、

誰もが同じく判断することができ、かつ、

廃棄作業も迅速になります。


このように、もともと、人は、「判断」す

ることを避けたがる傾向があるので、客観

的な基準を示すことは、事業活動において

効果があると、私は考えています。


一方で、「では、誰が、その客観的な基準

をつくるのか」という疑問を持つ方もいる

と思います。


それは、経営者(または、幹部社員)の役

割です。


もちろん、基準づくりは容易なことではあ

りませんが、だからこそ、それを行う経営

者が能力の問われるところであるとも言え

ます。


例えば、稲盛和夫さんは「値決めは経営」

と言っておられますが、客観的な数値で表

される商品の価格を決めることは、経営者

層で決めなければならないほどの、重要で

難しい判断だということを示しているのだ

と思います。


(ご参考→ https://bit.ly/2vluXZ3


もちろん、事業活動での意思決定は、すべ

て、数字でできるわけではありませんが、

組織的な活動に対して、経営者の意図を反

映させたいと経営者の方が考えていれば、

おのずと、多くの人が分かりやすい、数字

を使った明確な基準の設定が、可能な限り

行われるようになっているでしょう。


むしろ、曖昧な基準しかない、または、基

準そのものがなく、経営者は結果だけを求

めているという会社は、経営者がマネジメ

ントを放棄している会社ではないかと、私

は考えています。




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中小企業の粉飾は分かりやすい

私が頻繁に受ける質問に、「銀行は、融資

をする会社の粉飾を、どのように見抜くの

か」というものがあります。


実は、この質問には、私は、あまりピンと

来ません。


なぜなら、ほとんどの中小企業は、決算書

を粉飾しようとしても、それほど大掛かり

なことはできないという状況が実態だから

です。


私は、中小企業経営者の方に、「月次決算

を行い、毎月、計画通りに事業が進んでい

るか確認しましょう」と呼び掛けています

が、残念なことに、それを実践している会

社は少数です。


実態としては、多くの会社は、決算期の1

か月前か、決算期を過ぎてから、ようやく

決算作業を始めており、期中に自社の状況

を確認することはしていません。


そのため、そのような会社は、決算書を作

成することで精一杯であり、失礼ながら、

そのような状況でできあがった決算書は、

そもそも正確性に、やや疑義があるものと

なります。


そこで、(これは私の場合という前提です

が、恐らく、他の多くの銀行職員も同様だ

と思います)中小企業の融資審査をすると

きは、粉飾が行われているかどうかという

ことよりも、「実際の財務状況はどうなっ

ているのだろうか」という見方をします。


ここで、「中小企業とはいえ、決算書は、

多くの場合、税理士の方が作成しているの

に、どうして不正確なのか」という疑問を

持つ方も多いと思います。


これについては、不正確な説明になってし

まうことをお許しいただきたいのですが、

確かに、税理士の方が決算書作成に関わっ

ていることによって、ある程度の信頼性を

確保できます。


しかし、税理士の方の作業は、会社の会計

記録をまとめるという作業であり、その作

業の中で、ある程度は不適切な処理は修正

されるものの、日常の会計記録は会社自身

で行っており、それが、「中小企業の会計

に関する基本要領(中小会計要領)」など

に準じて行われていないと、全体としては

信頼性はあまり高くないものとなります。


これについても、「税務署から、決算書に

ついて問題があると言われたことはない」

と考える方もいると思いますが、税務署

は、納税額の計算が正しく行われているか

どうか以外には、何も述べることはありま

せん。


話を戻すと、会計記録などに負担を感じて

おり、決算書を作成することが精一杯とい

う会社は、仮に、粉飾をしようとしても、

手の込んだ粉飾をする余裕はありません。


ですから、そのような会社が、仮に、「粉

飾」を行ったとしても、すぐに見抜かれる

ようなものであり、融資審査をする側とし

ては、意識して粉飾を見抜こうとすること

はあまりありません。


そこで、前述したように、「粉飾はどのよ

うに見抜くのか」という質問をされると、

「粉飾を見抜こうとすることに、あまり意

識したことがない」という回答をすること

になります。


しかし、逆に、経理がしっかりしている会

社は、手の込んだ「粉飾」をするスキルも

高いので、粉飾している兆候がないか、注

意深く見るようにしています。


ただ、そのような経理がしっかりしている

会社は、残念(?)ながら割合としてはあ

まり高くありません。


繰り返しになりますが、本当に「粉飾」と

言えるようなことをするには、会社に経理

の高いスキルが必要になるので、実際に行

われることは少ないということが、今回の

記事の結論です。

 

 

 

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目標を常に頭に入れておくことの大切さ

保険営業コンサルタントの貝原守さんのブ

ログに、目標管理について書かれていまし

た。


(ご参考→ https://bit.ly/2GaX6E9


ブログの主旨は、「ある営業マンから、

『目標を達成できない』という相談を受け

たところ、その営業マンは、自分の目標そ

のものを覚えていなかった。


そこで、同僚に協力してもらって、毎日、

自分の目標をメールで送ってもらうように

したら、その営業マンは目標を達成できる

ようになった」というものです。


「目標を、毎日、メールで送ってもらうよ

うにしただけで、それが達成できるように

なった」というのは、ちょっと非論理的で

はないかと感じる人もいると思いますが、

貝原さんのブログを読んで、私は、稲盛和

夫さんも同様のことをお話しておられたこ

とを思い出しました。


「毎月の会議で、自分の目標はこれだけで

すと数字を述べることはできても、会議の

場でないところで、『あの件はどこまで進

んでいるのか』と質問すると、『えーと、

えーと』と言って答えられない人もいる」


(ご参考→ https://bit.ly/36ePFXg


すなわち、目標を意識して行動していない

と、自分の活動は目の前のことだけに左右

されてしまい、結局、本来、自分がやらな

ければならないことができなくなってしま

うということだと思います。


ただ、ここまで書いて来たことは、多くの

方が容易に理解できることだと思うのです

が、一方で、業況のよくない会社ほど、あ

まり実践されていないように思います。


なぜ、実践されないのかということについ

ての説明は割愛しますが、口では「目標は

達成したい」と言いつつも、「計画的に活

動するというような、窮屈な仕事の仕方は

したくない」と、心の深いところで考えて

いる人も多いのだと思います。


このことが、私が、「業況のよくない中小

企業はたくさんあるけれど、万策が尽きて

いるのではなく、解決策が実践されていな

いだけだ」と考えている根拠です。


貝原さんのブログにも、「『目標を覚えて

いない=達成できない』と、ちゃんとつじ

つまが合っている」と書かれていますが、

業況のよくない会社で、その原因が明確に

なっていながら、それが解決されないとす

れば、業況が改善しない責任はだれにある

かも明確です。




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