鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

本願ぼこり

私が、経営者の方からのご相談を受けてい

て、しばしば、「本願ぼこり」を思い起こ

すことがあります。


「本願ぼこり」は私が説明するまでもあり

ませんが、浄土真宗を開いた親鸞が、「悪

人こそが、阿弥陀仏の本願により救済され

る」と説いた「悪人正機」の考え方を曲解

し、「どんな悪いことをしても浄土に往生

できる」と考えてしまうことです。


では、私がどういうときに「本願ぼこり」

を思い起こすかというと、例えば、「毎日

ブログを書き続ければ、顧客が増えると聞

いたので、1か月間、ブログを書いてみた

が、顧客は増えなかった」というようなも

のです。


このような人は、「ブログを書けば、顧客

を増やすための努力をしなくてすむ」と考

えている人だと思います。


本来なら、ブログで情報発信を行い、経営

者と同じ価値観を持つ人を増やし、顧客に

つなげていくという活動をしなければなら

ないのに、ブログを書くことそのものを目

的にしてしまうと、顧客を増やすという本

当の目的は達成できなくなってしまうので

しょう。


このような思い違いをしてしまう人に対し

ては、「目的を取り違えることが問題であ

る」、「楽をして顧客を増やそうとしてい

る」などということを指摘することもでき

ますが、私がもっと問題であると考えるこ

とは、「ブログを書くことと、顧客が増え

ることの因果関係を理解していない」こと

だと思います。


したがって、そのような人は、顧客を増や

すための努力をしているようなポーズはと

りますが、結局は、運任せの活動に留まっ

てしまうのでしょう。


運任せの人が成功しないとは言い切れませ

んが、事業活動を運任せにせずに愚直に努

力をする人とは、自ずと結果が異なってく

ることは当然のことだと思います。


すなわち、繰り返しになりますが、ブログ

を書くことを免罪符のようにして、売上を

増やすための努力を避けてしまっては、う

まく行くものもうまく行かなくなるという

ことです。


ちなみに、親鸞の教えが書かれている歎異

抄によれば、「『本願ぼこりの人は救われ

ない』と考えることは誤りである」と書か

れているそうですので、念のために付言し

ておきます。



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