[要旨]
ビジネスの経験の浅いビジネスパーソンは、確実に成功するノウハウを求めようとしてしまうことがあります。しかし、そもそも、確実に成功することはできないので、不可能なことを可能と考える発想に誤りがあります。そして、そう考えてしまう要因には、その人に当事者意識が希薄であるということが考えられます。
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経営コンサルタントの相馬一進さんのブログを読みました。要旨は、相馬さんのビジネス講座の受講生の中に、「確実に結果が出ますか?」ときいてくる人がいるが、相馬さんは、「結果が出るかどうかはあなた次第であるが、間違いなく言えるのは、その考え方では、あなたは絶対に結果が出ないでしょう」と答えているというものです。
相馬さんが受けた質問は、宝くじ売場の店員さんが、くじを買いに来た人から、「くじを買って絶対に当せんしたいので、当たりくじを教えてくれませんか?」ときかれるようなものでしょう。したがって、前述の受講生がしたような質問は、まったく無意味ということは、誰でも理解できることなのですが、ビジネスの経験の浅い人は、失敗することを避けたいという思いが強いことから、「確実さ」を求めてしまうのでしょう。
とはいえ、そのような質問をした人は、ずっとそのままなのかというと、私は、経験を積めば、考え方が変わることも多いと感じています。ただ、問題なのは、「受講すれば確実に結果が出る」と発想してしまう人は、事業の成功の要因は、よい講師からビジネスを教わることと、考えてしまっているからなのではないかと、私は考えています。確かに、ビジネスが成功するには、優れたコンサルタントから優れたノウハウを教えてもらうことも大切です。
でも、それは、本質的なものではなく、やはり、経営者が当事者意識を持ってビジネスに臨むことが基本でしょう。その前提があるから、優れたノウハウを身に付ければ、ビジネスは成功に近づくものです。このことも、当たり前と考える方は多いと思いますが、ノウハウに依存しようとするビジネスパーソンも少なくないように、私は感じています。たから、「誰でもすぐに簡単に稼げるノウハウを提供します」という、怪しいノウハウを提供しようとする、自称コンサルタントも、いまだにたくさん見かけるのだと思います。
2022/2/17 No.1891