鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

物事が成功するまでの3段階

[要旨]

トイレ掃除によって組織の成熟度を高めた鍵山秀三郎さんは、トイレ掃除を始めたころは、部下たちからは批判されたり反対されたりしたものの、10年を経過して、ようやく手伝う人たちが現れ始めました。したがって、批判を受けたり反対されたりするというだけで、新しい活動を止めてしまえば、新たな活動は成功に至ることはありません。


[本文]

東洋経済オンラインに掲載されていた、イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんへのインタビュー記事を読みました。鍵山さんがトイレ掃除を始めてから、部下の方たちもいっしょに行うようになるまで10年かかったそうですが、それに関して鍵山さんは、次のようにお話しておられました。「哲学者のショーペンハウエルは、物事が成功するまでには3段階あり、第1段階は『嘲笑される。』『なんだ、トイレ掃除なんかして』、と。(中略)

第2段階は『反対される。』誰も(部下に対してトイレ掃除を)やれと言っていないのに抵抗され、その段階で(経営者は)バカバカしくなり、やめてしまう。(中略)でも、そこを乗り越えると、第3段階は、笑いものにしたり、反対したりしていた人がいつの間にか『同調する。』(中略)そうして初めて物事は成功するとショーペンハウエルは言っています」

いまでは、鍵山さんの清掃活動は、日本中で、そして、外国でも評価されています。でも、鍵山さんがお話しておられるように、最初から評価されていたわけではないようです。ところで、事業活動で差別化を図ろうとすることは、他者とは違うことをするということです。ところが、他者とは違うことをしようとすると、周りからは評価されなかったり、批判されたりすることは珍しくありません。もちろん、他者とは違うことをすることが、必ずしも成功につながっているとは限りません。

でも、他者と同じことをしていれば、差別化もできません。よく、成功者に「変わった人」が多いと言われるのは、変わったことをしないと成功しないからなのではないでしょうか?ところが、人は、自分の考えや、従来のやり方と違ったことをしている人を見ると、批判をしたくなる習性があるようです。その原因のひとつは、自分の考えと違うことをしている人を見ると、心の深い部分で自分が否定されているからと感じるからではないかと、私は考えています。

要は、否定や批判は、批判の対象が誤っているために行われるものではないということです。そうであれば、批判を受けることは、失敗することではなく、成功することと考えることの方が得策でしょう。そうはいっても、人は批判されると精神的につらさを感じます。だから、経営者の方は、鍵山さんのような強い精神力を持つことが望まれるということを、鍵山さんの記事を読んで、改めて感じました。

2021/12/14 No.1826

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