[要旨]
中小企業の事業の本質的な改善は、独力では実践することは、なかなか難しいようです。だからこそ、コンサルタントなど、外部からの助力が必要なのですが、そもそも経営者自らがコンサルティングを受けようという意志を持たなければ、その段階に移ることができません。
[本文]
経営コンサルタントの小山昇さんのラジオ番組にゲストとして出演されていた、株式会社森甚の社長の森田径さんのお話を聴きました。森田さんは、かつて、小山さんの本を読んで、自社の経営を改善しようとしていたそうです。さらに、ラジオ番組あてに6度の質問をして、小山さんに番組の中で回答してもらい、事業改善のためのヒントをもらっていたそうです。
しかし、自社の事業は改善しなかったことから、小山さんに、直接、コンサルティングをしてもらうことにしたそうです。その結果、小山さんから個別に、かつ、森田さんの会社の成熟度に応じたコンサルティングを受けることで、事業の改善が進んでいったということです。しかし、ここまで述べてきたことは、至極当然のことです。ところが、問題なのは、自社の事業の改善が必要なのに、自らは積極的に改善しようとしなかったり、または、改善をしようとしても、コンサルティングを受けようとしなかったりする会社は少なくないということです。
その理由のひとつは、事業の改善方法は、例えば、どういう製品を製造すればよいのか、どういう商品を販売すればよいのか、どのように集客をすればよいのかということしか考えない経営者の方が多いからだと思います。確かにそのような方法で事業は改善することはあると思いますが、深い部分での改善ではないことから、効果はあまり高くありません。ただ、着手しやすく、効果も比較的短期間で得られることから、そのような方法を選ぼうとする方が多いのでしょう。その一方で、本質的な事業改善は、コンサルタントなどからの助力を得ないで、自力ではなかなかできないことから、そのような方法を選ぼうとする経営者は少ないのでしょう。
したがって、森田さんは、小山さんからコンサルティングを受けたことも正解なのですが、その前に、コンサルティングを受けて事業を改善しようと森田さんが意思決定したことの方が、会社の事業が改善した本質的な要因だと思います。さらに、そのような意志を持つことも、事業改善により能動的に取り組むことができるようになり、効果も高いものとする要因となったのではないでしょうか?つまるところ、事業の改善は、根本的なところは、経営者の意志だということを、森田さんのお話を聴いて改めて感じました。
2021/12/13 No.1825