鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

紙くずを拾う

経営コンサルタントの小山昇さんが社長を

務める、株式会社武蔵野の専務取締役、矢

島茂人さんのご著書、「強い会社はなぜ、

この習慣を大切にするのか」に、哲学者の

森信三さんの言葉が紹介されています。


(ご参考→ https://amzn.to/396IfXT


「足元の紙くずひとつ拾えぬ程度の人間に

何ができるでしょうか」


これは、「言行一致が大切」ということで

あり、森さんは、神戸大学で教鞭をとって

いたときに、紙くず拾いを率先垂範してお

られたそうです。


(ご参考→ https://bit.ly/2GKuCkS


この、言行一致の大切さは、私が説明する

までもありませんが、今回、言及した理由

は、これを実践していない経営者の方が、

少なくないと感じたからです。


事業を改善するためには、どういう戦略や

戦術を実践すればよいかということを決め

ることは大切ですが、さらに大切なこと

は、自社で実践することに決めた戦略や戦

術を、確実に遂行することです。


これは、私がこれまで何度か述べてきまし

たが、戦略や戦術の選定までは行っても、

それがなかなか遂行されないため、事業が

改善しないという例は少なくないと感じて

います。


その原因のひとつは、中小企経営者の方が

かけ声をかけることしかしておらず、自身

の行動がともなわないということが挙げら

れるからだと思います。


ただし、私自身もそうですが、人は、自分

では気づかないうちに、矛盾した行動をし

ていることがあるわけですから、ここで、

言行不一致を改めるべきということを強調

しようという意図はありません。


今回、言行一致に言及したのは、改善活動

の実施をしようとするときは、改善活動の

選定だけでなく、それを実施するための体

制にも注力する必要があるということを、

お伝えしたかったからです。


すなわち、事業を改善しようとするとき、

繰り返しになりますが、経営者の方は、か

け声をかけるだけでは、従業員の方は新し

い活動に能動的に臨もうとはしないので、

経営者の方も率先垂範できるようにして取

り組まなければならないということです。


これも当たり前のことなのですが、私がコ

ンサルタントとして感じるのは、事業の改

善策を経営者の方と考えているとき、一緒

にいる経営者の方も、コンサルタント的な

立場になってしまう、すなわち、ちょっと

失礼な表現ですが、当事者意識が薄れるこ

とがあるということです。


すなわち、事業の改善は、経営者の方がお

手本を示す活動でもあるということを認識

していただく必要があるということが、今

回の記事の結論です。


そして、これも言及するまでもないことで

すが、どの経営者の方も、自社の事業を改

善したいと考えていることは当然のことで

すが、現実には、頭の中で考えているだけ

では、従業員の方にその思いは伝わりにく

いものです。


でも、経営者の方が改善活動を率先垂範し

ている姿は、客観的に従業員の方に伝わる

ものであり、そういった観点からも、具体

的な活動を行うことの意義は大きいと思い

ます。


そして、コンサルタントである私自身も、

顧問先の方に、強い意思がなければ実践す

ることが難しい改善活動を提案する立場に

あるわけですから、今回の記事は、私自身

にも当てはまることであり、自戒を込めて

書いています。




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