[要旨]
中小企業の多くは、経営者の方が、部下に指示を出すだけで、それが遂行できる環境が整っているかどうかまでは、あまり、管理されていることは多くないようです。したがって、製品の製造工程を管理するだけでも、業績が大きくかわるきっかけになると考えられます。
[本文]
先日、私の配信しているPodcast番組で、ISO9001についてお話したのですが、時間の兼ね合いで、番組の中でお話できなかったことについて、ここで述べたいと思います。それは、プロセスアプローチです。多くの経営者の方は、自社製品について、品質のよいものをつくってもらいたいと考えていると思います。では、どうすれば、品質のよい製品をつくることができると考えているでしょうか?
また、そのために、どのような指示を出しているでしょうか?おそらく、ルール通りにつくりなさい、丁寧につくりなさいなど、やや、抽象的な指示をしていることが多いと思います。すなわち、細かい部分は現場任せになってしまいがちだと思われます。そうなると、結局、経営者の方は、品質をあまり管理していないということになってしまいます。
そこで、製品の製造工程が正しいかどうかを検証する取り組み、すなわち、プロセスアプローチを行うことが有効です。なお、製造工程が正しいかどうかの検証とは、詳細な説明は割愛しますが、例えば、会社が求める品質に必要な機械が揃っていないとか、従業員の育成にあまり時間を割くことができていないなどの課題があるかどうかを見て行くことです。
ただし、私が、プロセスアプローチが大切と感じている理由は、日本では、プロセスを管理する会社は、まだまだ、少数であると感じていることです。これを言い換えれば、マネジメント層は、指示を出すだけで、実際に、その指示が遂行できる環境が整っているかどうかまでは、きちんと管理していないことが多いということです。
ですから、私は、プロセスが適切かどうかを検証するだけでも、業績が大きく改善するきっかけになると考えています。ただし、このプロセスの検証は、地味な活動なので、いままであまり注目されてこなかったのかもしれません。でも、地味でも、とても大切な活動です。