[要旨]
コンサルティングを受ける必要性の高い会社ほど、コンサルティングを受けようとせず、逆に、コンサルティングを受ける必要のない会社ほど、コンサルティングを受けようとする傾向が見られます。このことから、業績を改善するには、経営者の方の学ぼうとする姿勢が大切ということが考えられます。
[本文]
今回も、前回に引き続き、本田健さんの著書、「大好きなことをしてお金持ちになる」を読んで、気づいたことについて書きたいと思います。本田さんは、以前、「おかねのIQ・EQを高めて、幸せな人生を送る」というセミナーを開くことにしたことから、それを、友人やクライアントに知らせたそうです。ところが、本田さんがセミナーに参加して欲しいと思っていた人、すなわち、おかねに問題を抱えている人からは受講の申し込みがなく、もう十分に成功していて、セミナーに参加する必要はないという人ばかり受講申し込みをしてきたそうです。
これについては、コンサルティングと、それを受けようとする会社の関係にも当てはまると、私は感じています。すなわち、コンサルティングを受けた方がよいと思われる会社、すなわち、業績があまりよくない会社は、コンサルティングを受けようとせず、業績がよくて、コンサルティングを受ける必要のないと思われる会社ほど、コンサルティングを受けようとする傾向にあるようです。(一部、事業再生を受けるために、銀行から言われて、しぶしぶ、コンサルティングを受ける会社はありますが…)
これらのことだけから、100%断言することは妥当ではないものの、事業を改善しようとするときは、まず、何をするかよりも、学ぼうとする姿勢があるかどうかが大切なのではないかと思います。「現在は、経営環境が目まぐるしく変化する時代」ということは、誰も否定はしないと思いますが、そうであれば、経営者の方が学ぼうとする姿勢はますます重要だということも、容易に理解できると思います。それにもかかわらず、業績がよくない会社の経営者の方が、学ぶことを避けているとすれば、自ら業績の改善を拒んでいることになってしまうのではないかと、私は考えています。