鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

CSRは目的ではなく手段

[要旨]

現在は、民間会社に対して、CSRが強く求められる時代になりましたが、それに対して、会社に新たな負担がかかるようになったと考えず、CSRを実践すれば、事業も拡大していくと考えるようにすれば、より、安定的に事業が発展していくでしょう。


[本文]

先日、私の配信しているPodcast番組で、CSR(企業の社会的責任)についてお話しました。その中で、少し、話し足りなかったと感じている部分がありましたので、ここで少し補足したいと思います。というのは、事業活動にとって、CSRを採り入れることは、会社の負担が増加するか考えてしまう経営者の方が、依然として多いということです。

経営者の方が、このように感じてしまう原因には、会社は利益を得ることもたいへんな時代に、CSRまで実践する余裕はないと考えてしまうからのようです。しかし、現在のように、民間会社の役割が大きくなった時代は、事業活動にCSRは欠かせなくなっています。すなわち、会社の事業が発展していくことが、社会的責任を果たすことにもなるという時代になっています。

ですから、「利益を得る活動」のほかに、「社会的責任」も果たさなければならないのではなく、「社会的責任を果たすことができなければ利益を得ることもできない」時代になっています。そこで、会社が利益を得ようとするには、まず、社会的責任を果たさなければならないわけです。これは、誤解を生みやすい言い方なのですが、CSRは目的ではなく、事業で利益を得るための手段になっているのです。だからといって、CSRを実践することを難しいものと考えすぎる必要はないと、私は考えています。

例えば、今年は、売上を伸ばしたスーパーマーケットがたくさんありました。それは、新型ウイルスの感染を防ごうとした人たちが外出を控え、自宅で食事をする機会が増えたことから、スーパーマーケットで買い物をすることが多くなったことが要因です。それだけ、食品小売業は、従来よりも大きな社会的なニーズを満たすようになったということです。このように、スーパーマーケットを営んでいる会社は、単に、自社の事業を小売業とだけとらえずに、社会的な要求に応じる事業ととらえれば、業績を伸ばしていくことができます。

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