鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

非営利法人も剰余を求めることが大切

ときどき、あらたな事業を始めるにあたっ

て、特定非営利活動法人NPO)や、一

般社団法人を設立したいという方からご相

談を受けます。


その理由は、「始めようとする事業が社会

性の高い事業なので、非営利法人はそのよ

うな事業に適しているから」というもので

す。


しかし、これには以前も記事にしたことが

ありますが、誤解していると思われる面が

あります。


(ご参考→ https://goo.gl/jSK2Jo


社会性の高い事業をNPOや一般社団法人

で行うことは問題ないのですが、NPO

一般社団法人「だけ」が社会性の高い事業

に適しているわけではありません。


営利法人である株式会社や合同会社も、社

会性の高い事業を行うことは可能です。


(ただし、法律の規定によって、医療や教

育など、一部、営利法人で運営することが

禁止されている事業があります)


しかし、社会性の高い事業だから非営利法

人が適していると誤解されてしまうのは、

非営利という言葉を、「剰余(利益)を出

さない」という意味で理解してしまってい

るからと思われます。


すなわち、社会性の高い事業では剰余(利

益)を得ることも難しく、したがって、非

営利法人が適しているのではないかと考え

てしまうのではないでしょうか?


でも、非営利とは、「剰余(利益)を分配

(配当)するこを禁止する」という意味で

あり、「剰余(利益)を得ることを禁止す

る」という意味ではありません。


むしろ、非営利法人であっても、たくさん

の剰余を得る方が、資金繰が楽になり、事

業の運営も容易になります。


そういう観点からは、非営利法人であって

も、株式会社などの営利法人と同じ事業運

営スキルが求められます。


むしろ、「社会性の高い事業」に挑む訳で

すから、営利法人よりもさらに高いスキル

が必要になると考えられます。


逆に、「社会性の高い事業を運営する非営

利法人は、そのスキルが軽減される」と考

えているとすれば、それは、180度誤解

していることになります。


また、日本の中小企業(オーナー会社)の

ほどんどは、剰余(利益)の配当をしてい

ないので、そういった意味では、中小企業

も非営利法人も実態は近しい組織であると

思います。


(非営利法人は、事業による剰余に対して

課税されない場合や、税率が軽減される場

合があり、その面については営利法人より

有利です)


今回の記事の結論は、非営利法人や営利法

人のいずれも、剰余(≒事業によって産み

出される価値)を得ることが求められると

いうことです。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20190206160114j:plain