[要旨]
ビジネスが行き詰ったときは、対処法を考えることよりも、行動することによってそれを見つけ出すことが大切です。しかし、失敗を恐れると、行動ができなくなってしまうので、経営者の方は、窮地に立っても行動できる強い精神力を持つことが大切です。
[本文]
ビジネスメールコンサルタントの平野友朗さんが、先日配信したメールマガジンで、「思考停止が一番怖いので、何かあっても『動く』ようにしている」と、行動を続けることの大切さについて述べておられました。これは、私も、中小企業の事業改善のご支援をしてきた経験から感じることなのですが、ピンチになると、行動しなくなる(物理的に体を動かしていても、行動を変えない場合も含みます)経営者の方は少なくありません。
行動しないのは、失敗を避けたいという気持ちがあるからだと思います。そのため、新たな戦術・戦略を検討する過程で、議論ばかりが続いたりします。これは、事前の検討に注力することで、失敗が避けられるという前提になっているからだと思います。しかし、事業を行う上での判断は、100点の正解というものはありません。また、いくつかの案の中で、いずれも正解かもしれないし、どれも不正解であるかもしれません。だから、正解は「考え出す」のではなく、「行動しながら見つけ出す」ものだと、私は考えています。
そして、このことは、私がここで書くまでもなく、ほとんどの経営者の方もそのように考えておられると思いますが、前述のように、実際に行動できる人はあまり多くないと、私は感じています。だから、平野さんがご指摘されておられるように、「思考停止が一番怖いので、何かあっても『動く』ようにしている」という考え方が大切なのだと思います。
ただ、平野さんのような考え方を実践できるようになるためには、頭で理解することよりも、実際に行動できる精神力を高めなければならないと思います。いわゆる「批評家」と経営者の大きな違いは、この行動するかどうかの違いだと思いますし、成功した経営者が尊敬される理由も、そこにあると思います。