鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

日本の会社はPDPDの連続

[要旨]

日本の会社では、PDCAを実践していても、実際には、しっかりとした事後検証が行われておらず、PDPDの連続の状態になっている会社が多いようです。しかし、アマゾンジャパンでは、事後検証をしっかりと行うことで、業績を向上させており、真のPDCAを行うことが大切ということを実証しています。


[本文]

アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして、2016年まで同社にご勤務され、現在は、経営コンサルタントとしてご活躍されている、佐藤将之さんのご著書、「amazonのすごい会議」を拝読しました。同書に書かれていたことで、私もとても共感できたことは、「日本の会社は、PDCAのPDしか行われていない、すなわち、PDPDの連続だ」という部分です。

「会議で取り上げるのも、PDのことばかりで、どうすれば成功したと確認するのか、何の指標を見るのかという議論が抜け落ちている。この状態は、PDPDの連続だけで、ポストモーテムとKPIの管理というCAの仕組みがなければ、いくらプランを立てて実行しても、長続きしないし、発展性に欠ける」というものです。

ちなみに、ポストモーテムとは、「事後検証」のことで、計画を実行した後、その結果を見て、単に、成功した時は「今回はよかった」、失敗した時は「気持ちを切り替えて次回はがんばろう」という結論だけに終わらずに、成功や失敗の要因を検証することだそうです。

私も、日本の会社では、PDCAがあまり評価されておらず、また、PDCAを実践していても、佐藤さんが指摘しておられるように、「PDPDの連続」となっている場合が多いと感じています。それは、表面的にはPDCAを大切とは理解しているつもりでも、内心は、「会議を開くよりは、現場で仕事をすることの方が業績向上につながる」と考えている方が多いことが原因と思っています。

でも、佐藤さんの指摘のように、事後検証まで意識して、真のPDCAが実践されていれば業績が向上するということは、アマゾンジャパンの事業拡大の実績が証明していると言えるでしょう。事業は、直接的な事業活動も重要ですが、現在は、その管理(マネジメント)が優劣の要因の比重を高めています。そのことが理解できれば、真のPDCAを実践できるようになると、私は考えています。

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