鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ゴールは起業ではなく成功すること

[要旨]

現在は起業することが容易になっていますが、それは参入者も増えているということなので、ライバルも多く、成功することが難しくなっています。それを理解せずに安易に起業してしまうと、「フォーム営業代行」を頼るなど、非効率な活動をしてしまうことになります。そのようなことを避けるには、しっかりとした準備をすることが大切です。

[本文]

ビジネスメールコンサルタントの平野友朗さんが配信しているメールマガジンに、「フォーム営業代行」について書いておられました。すなわち、フォーム営業代行に頼って販売促進をする会社は、売上を得ることに必死なのかもしれないが、それと同時に、迷惑なことをする会社という悪い評価を受けることにもなるので、長い目で見れば得策ではないということです。私も平野さんのご指摘はその通りだと思いますし、ほとんどの経営者の方も同じように考えると思います。しかし、現実には、そのような「迷惑行為」はなかなか減りません。

ちなみに、私も営業マンをしていたときは、葛藤を抱えながら、営業目標達成のために、「明日の100より今日の50」的なことをしていたので、営業代行を使おうとする経営者の方の気持ちを理解でます。でも、そのようなことばかりしていては、最終的には自分の首を絞めることになってしまいます。それなのに、どうして目先のことばかり考える経営者の方が減らないのだろうということを、ずっと不思議に感じています。

その原因は、もちろん、100%明らかにはできないのですが、私が考えていることは、「起業をゴール」にしている方が多いからではないかということです。現在は、規制緩和が進み、起業をしやすい環境になったことは事実です。でも、起業しやすくなったということは、起業した人にとっては、ライバルも多くなっているということです。ですから、現在は、起業した人が成功する確率が低くなっているということも、明らかです。

このことも容易に理解できることなのですが、起業しようとする方の多くは、「自分が始めようとしている事業は必ず成功するので、起業しさえすれば目的が達成する」と考え、安易に起業してしまうのではないかと、私は考えています。ところが、現実は、前述のように、自社と同じようなライバルがたくさんいるので、容易には成功できず、なんとかして売上を得ようとして、「フォーム営業代行」に頼ろうとする人がたくさんいるのではないかということが、私の見立てです。

では、どうしたらよいのかということですが、起業してから成功する確率を高めるために、しっかりとした準備をするということです。これも繰り返しになりますが、年々、起業する人の数が増えているわけですから、しっかりとした準備が必要です。もちろん、失敗する確率を0にすることはできないので、長期間、準備をすればよいということではありません。

でも、「起業がゴール」と考えてしまっていれば、そのゴールを目指すことに夢中になり、気持ちが急いて、十分な準備をすることができません。一方、「事業を成功させることがゴール」と考えれば、起業は通過地点になるので、気持ちに余裕をもって準備や起業に臨むことができます。こう考えれば、どのような準備をするかということで、本当の開業をしたときに、ライバルと大きな差をつけることができるでしょう。

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