鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

集客はマーケティングの一部に過ぎない

[要旨]

集客に関心の高いビジネスパーソンは少なくありませんが、そもそも、商品の品質が高くなければ、集客しても商品は売れないので、販売活動を不要にするための活動である、本当の意味でのマーケティングに取り組むことが大切です。


[本文]

経営コンサルタント相馬一進さんのブログを読みました。ブログの要旨は、相馬さんが集客を手伝って欲しいと依頼されることがあるが、ほとんど断っている。なぜなら、集客を依頼してくるような人たちは、集客が、マーケティングの最後のステップにしか過ぎないということを、理解していないからだ。商品が売れる要素の大部分は、商品コンセプトや販売の流れであり、それらは集客や告知の良し悪しの何倍も大切である。したがって、商品コンセプトがよくない商品は、どんなに集客に注力しても、売上は増えない、ということです。

私も相馬さんと同じ考えです、というよりも、専門家を名乗るのであれば、このことを知らないと恥ずかしいレベルです。ビジネスパーソンの中には、マーケティングのことを、販売促進活動(営業・集客・告知)のことと理解しておられる方も少なくないようですが、相馬さんのブログにも書かれているように、販売促進活動は、マーケティングのほんの一部に過ぎません。

むしろ、ドラッカーは、「マーケティングの目的は、販売活動を不要にすることである」( The aim of marketing is to make selling superfluous . )」とまで述べています。とはいえ、この記事の主旨は、学問的に、マーケティングとはどういうものかということを説明することではないので、どうすれば事業が成功するかという観点で説明を続けます。相馬さんが、しばしば集客の支援を依頼されることからもわかるように、集客に関心が高いビジネスパーソンはたくさんいるようです。

しかし、そのようなビジネスパーソンは、自社の商品の「商品コンセプト」(商品の品質)がよくないために、「集客」でそれを補おうとしていることも多いと考えられます。もちろん、起業して間もないときは、集客のための活動は必要です。しかし、長期的には、ドラッカーの言っているように、販売活動を不要にするようなマーケティング活動に取り組まなければなりません。

そうでなければ、いつまでも効率の低い事業を続けることになり、早晩、ライバルとの競争に敗れてしまうでしょう。したがって、いつになっても集客ばかりに力を入れている会社は、本質的なマーケティングや事業活動に向き合っていない会社ではないかと、私は考えています。では、「マーケティングに取り組むとは、具体的にはどのようなことをすればよいのか」という疑問を持つ方もおられると思いますが、それは、また、別の機会に述べたいと思います。

 

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