[要旨]
性能が高く価格が安い製品があふれる時代は、新規性の高い商品を生み出す能力が、競争力を高めることになります。しかし、その能力は一朝一夕には習得することはできないので、そのための企業文化をつくるための努力が、経営者の方に求められています。
[本文]
コンサルティング会社のマーケティングアイズの代表取締役の理央周さんが、ホームセンターのカインズについて、メールマガジンで書いていました。要旨は、カインズのアイディア商品が、SNSや、ネットニュースなどで話題になっている。同社では、このような新商品を生み出すための独自の取り組みをしている。
そのひとつはデザイン展で、メーカー28社とコラボレーションした限定デザインの商品などのオリジナル商品を、全国のカインズ226店舗と、オンラインショップに販売するイベントを行っている。もうひとつはイノベーションハブで、これは、新しいアイディアを出すために、表参道に設けたカフェとワークスペースのことだ。
カインズ以外の会社でも、経営者が従業員に対して、「イノベーションを起こせ!」「新しい発想を出せ」とはっぱをかけることがあるが、それだけでは、イノベーションは起きない。カインズのように、差別化をするための努力をするという企業文化こそが、独自性を生み出し、ひいては、価格競争、値引き合戦からの、脱却が可能になる」というものです。
現在は、性能がよく、価格が安い商品であふれている時代なので、カインズのように、アイディア商品をたくさん生み出し、顧客ロイヤルティを高めていくことが、競争力もつけていくことになるということも、ほとんどの方がご理解されると思います。ところが、理央さんもご指摘されておられるとおり、「イノベーションを起こす」企業文化は、一朝一夕では作れません。普段からの絶え間ない経営者の努力と、その積み重ねが必要です。すなわち、「経営に王道なし」であり、地道な活動こそ大切であるということを、理央さんのメールマガジンを読んで、改めて認識しました。