鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業の強みは製品開発力

[要旨]

業務スーパーの強みは、製品開発能力を発揮して、マーケティング志向のマーケティングを実践していることにあるようです。同社の例からわかるように、現在は、しっかりとしたコンセプトづくりと、それを実践するための体制づくりが重要になっています。


[本文]

8月24日に、日本経済新聞が、「『業務スーパー』の名称で食品スーパーを展開する神戸物産の業績が拡大している。2021年10月期は8期連続の営業最高益を見込み、時価総額は1兆円を超えた」と報じていました。業務スーパーの強みは、ひとつだけではないと思いますが、製品開発力が優れている面が大きいと思います。

同社は、自前の食品製造工場を所有し、売上の3分の1は自社製品であることはよく知られていますが、業績が好調なのは、単に、自社製品を販売しているというだけでなく、顧客から自社製品の支持を受けているからこそ、自社製品を製造する強みが発揮されていると考えられます。その人気製品の代表例は、牛乳パックに入れらた水ようかんや杏仁豆腐です。このような製品を開発する独自性が、同社の最大の強みでしょう。

とはいえ、ここまで書いてきた内容は、私があらためて述べるまでもなく、多くの方が容易に理解できることです。すなわち、マーケティングコンセプトは、生産志向→製品志向→販売志向→顧客志向と移り変わって来て、現在はマーケティング志向になっており、業務スーパーは。製品開発力によって、マーケティング志向のマーケティングを実践しているということです。

ところが、製品開発力で強みを発揮するということは、口で言うほど簡単ではないということも事実だと思います。だからこそ、現在は、しっかりとしたコンセプトづくりと、それを実践するための体制づくりが重要になっています。そして、なんら計画を立てず、成行で事業に臨むだけでは、たちまち、ライバルとの競争に敗れてしまうことになるでしょう。

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