[要旨]
社内カンパニーは、カンパニープレジデントが、設備投資を行う権限を持つともに、投資効率に対する目標を達成する責任も負う組織です。このことから、インベストメントセンターと呼ばれることもあります。
[本文]
前回は、事業部制について説明しましたが、今回は、事業部制よりも独立制の強い組織である、社内カンパニーについて説明します。社内カンパニーは、ひとつの事業部、または、複数の事業部を、あたかもひとつの会社のように独立させた組織です。
具体的には、社内カンパニーの責任者であるカンパニープレジデントには、設備投資を行う権限が委譲されます。この権限に基づいて、社内カンパニーが設備投資を行うときは、本社から資金を調達します。なお、資金調達を行うにあたって、カンパニープレジデントが交渉する相手が、いわゆるCFO(最高財務責任者)です。また、社内カンパニーは、調達した資金に対して本社へ社内金利を支払い、独立性を明確にします。
さらに、社内カンパニーは単体で貸借対照表を作成し、本社から投入された資金に対する投資効率も明確にします。これは、社内カンパニーには投資効率の目標が与えられており、それを達成する責任を負っているためです。このことから、社内カンパニーはインベストメントセンターと呼ばれることもあります。また、カンパニープレジデントは、社内カンパニーのすべての役員・従業員の人事権を持ち、社内カンパニー単位で採用を行います。
このような社内カンパニー制を導入する目的としては、社内カンパニーに大幅な権限を委譲することで、事業環境の変化に迅速に対応させたり、社内カンパニーに対して起業家精神を持たせ、より積極的に事業に臨むことができるようにしたりするという理由があげられます。以上が、社内カンパニーの特徴に関する説明ですが、次回は、持株会社について説明します。