鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

実業と虚業

経営コンサルタントの相場一進さんのブロ

グを読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/3bcleE2


記事の要旨は、「コンサルティングは、虚

業であると評価されることがあり、相馬さ

んもそう考えているが、だからといって、

コンサルティングに価値がないわけではな

い。


実業と虚業は表裏一体の関係にあり、実業

で起きていることを、コンサルタントが体

系化し、ノウハウとして実業を営む経営者

に提供することで、その実業において成果

をあげることができるようになる」という

ものです。


私も相馬さんと同じ考え方をしています。


ちなみに、本来は、「実業」は堅実な事業

のことを指し、「虚業」は投機など堅実で

ない事業を指すようですが、相馬さんは、

製造業や小売業など、有形の製品・商品を

対象とする事業を実業、無形のサービス、

特にノウハウや情報提供などを対象とする

事業を虚業と言っているようです。


話を戻して、「コンサルティング虚業

という批判が起きてしまうことについて

は、私も、ある程度理解できます。


その要因は、コンサルティングを受けた会

社が、その成果を明確に感じられないこと

があるからです。


特に、かつての私のように、駆け出しのコ

ンサルタントは、せっかく契約してもらっ

た顧問先の業績がなかなか上がらないと、

顧問契約を続けてもらえなくなるのではな

いかと焦り出します。


そこで、仕事の内容を、効果の見えにくい

コンサルティングから、客観的な成果が見

える業務請負に変えようとします。


私の場合、融資申請支援などを行い、銀行

から融資承認を得るという、客観的な成果

を得ることで、顧問先に役立っていること

が分かってもらえるようにしようと考えま

した。


ところが、この業務請負は、差別化が難し

くなります。


本当は、業務請負であっても、ノウハウの

多さやスキルの高さによって、成果に違い

が出てくるのですが、依頼する側からすれ

ば、きちんとできて当り前なので、結果に

しか関心がありません。


そこで、差別化が難しく、高い報酬は(特

に経験の浅い人ほど)期待しにくくなりま

す。


そこで、そのような状態になってしまった

コンサルタントは、「やはり、『虚業』は

もうからない」と考えてしまいがちです。


だからといって、「実業」は簡単なのかと

いうと、決してそうではありません。


現在の事業環境では、よい商品を安く売る

ことが当たり前になっているので、余程の

競争力がなければ、十分な利益の得られる

「実業」を営むことは、容易ではありませ

ん。


では、どうすればよいのかというと、「ベ

ネフィットの感じられる商品」を売るしか

ないと、私は考えています。


顧客側からすれば、何を買うかではなく、

買うもので何を得られるかが大きな関心事

です。


以前、「事業ドメイン」について述べたこ

とがありますが、「実業」のファミリーレ

ストランは、「虚業」のSNSに顧客を奪

われています。


(ご参考→ https://bit.ly/2Ws6Cw8


現在の若者は、ファミリーレストランに集

うよりも、SNSでコミュニケーションを

とることに楽しさを感じています。


ですから、コンサルティング事業が繁盛し

ていないとすれば、虚業であるからではな

く、顧客に効果(ベネフィット)を感じて

もらえていないことが原因であり、そこか

ら目をそらしていては、いつまでも課題は

解決しません。


そうはいっても、クライアントから役に立

コンサルタントと感じてもらえるように

なるには、石の上にも三年どころか、10

年も20年もかかりそうです。


ビジネスは本当に厳しいですが、解決すべ

き真の課題を見つけられなかったり、それ

に目を向けないままでは、いつまでも敗者

のままでい続けることになりす。

 

 

 

 

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