インタビューが載っていました。
(ご参考→ https://s.nikkei.com/39YmSbT )
注目すべき内容は、新型コロナウイルス感
染症によって事業活動を影響を受けている
中小企業との融資取引に関し、「今回は銀
行法24条にもとづく報告徴求義務を課し
て、(条件変更に応じた件数などの)報告
を求めた」ということです。
この要請によって、ある程度は、銀行は、
かつての中小企業金融円滑化法にもとづく
条件変更(いわゆる、リスケジュール)と
同様の対応をすると思いますし、私も、そ
のような対応は必要だと思います。
しかし、今回、注意しなければならないこ
とは、中小企業金融円滑化法があったとき
とは異なり、金融検査マニュアルが廃止さ
れていることです。
すなわち、金融検査マニュアルは、極端な
ことを言えば、リスケジュールした融資取
引先に対し、「正常先」と判断するお墨付
きとなっていました。
これは、リスケジュールをした融資につい
て、「貸倒引当金を積まなくてよい(銀行
の新たな費用負担が発生しない)」という
ことになります。
ところが、今回は、そのお墨付きがないの
で、リスケジュールをした融資取引先を正
常先と判断することに、銀行は躊躇するで
しょう。
やはり、「返済に困っている」という申し
出をした融資相手を、「正常先」とするこ
とは、特段の状況がない限り、無理のある
判断になるからです。
したがって、銀行は、リスケジュールには
応じる場合もあるものの、その場合は、銀
行が貸倒引当金を積むことを前提にするこ
とが多くなると思います。
だからといって、リスケジュールを断って
ばかりいれば、事業が行き詰ってしまう会
社も増え、自らも融資相手を減らしてしま
うということになりかねないので、その点
に関しては、森長官の指摘する通り、「ま
さに金融機関の目利き力が問われる」点だ
と、私も思います。
では、銀行から融資を受けている会社は、
これから銀行に対してどう接すればよいか
ということですが、できるだけ、リスケ
ジュールの申し込みは避けた方がよいと思
います。
可能であれば、新規融資を申し込む方が、
リスケジュールより承認が得やすいと思い
ます。
確かに、新規融資に関しては、申し込みの
負担が大きいと感じられがちですが、銀行
も後ろ向きの判断はしにくくなってきてい
るので、セーフティネット保証などを活用
することが望ましいでしょう。
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