鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ファミレスとSNSはライバル

日経ビジネスの2020年3月6日号に、

ファミリーレストラン大手のすかいらーく

ホールディングスが、3月1日に24時間

営業を全面的に廃止したことに関し、同社

の人財企画・運用グループの、匂坂仁ディ

レクターへのインタビュー記事が載ってい

ました。


(ご参考→ https://bit.ly/2TwNb3g


記事によれば、同社が24時間営業を廃止

した理由はひとつだけではありませんが、

SNSの普及で、若者がファミリーレスト

ランに集まらなくても、コミュニケーショ

ンをとることができるようになったことも

影響していると述べておられます。


このことは、ファミリーレストランは、業

種としては飲食店ですが、事業ドメイン

しては、コミュニケーションの手段を提供

する事業だったと言えるでしょう。


そのような観点から見れば、SNSは、異

なる業種であるにもかかわらず、事業ドメ

インが同じであることから、ファミリーレ

ストランから顧客を奪ってしまったことに

なります。


この事業ドメインは、それほど新しい考え

方ではありませんが、最近は、重要性が高

まってきていると思います。


その例として、以前、自動車メーカーのト

ヨタが、「トヨタは自動車メーカーでなく

なる、すべての人に移動する楽しさを提供

するモビリティカンパニー変わる」と宣言

し、事業ドメインを変えた例をお伝えしま

したが、これは、現代においては、自動車

メーカーという業種にとらわれていては、

正しい事業展開ができないというトヨタ

判断が、背景にあったと思われます。


(ご参考→ https://bit.ly/38ywpFk


すなわち、自社の事業ドメインを正しく定

義できるかどうかということが、競争を優

位に進めるための鍵になると思います。


トヨタの例以外では、最近のおもちゃ屋

んは、子どもにおもちゃを売る事業ではな

く、孫へのプレゼントを買ってもらうこと

で、高齢者に孫とのコミュニケーションを

提供する事業になりつつあります。


最後に、これを機会に、読者のみなさんの

会社も、自社の事業ドメインについてじっ

くりご確認いただき、より効果的な事業戦

略を作成するための契機にしていただくこ

とをお薦めしたいと思います。





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