先日、弁護士の向井蘭先生が、向井先生の
フェイスブックのタイムラインに、店内に
犬がいる理髪店の写真を載せていました。
向井先生は、上海に事務所を持っており、
上海の理髪店を利用することがあるそうで
す。
その上海のローカルの理髪店のカット料金
は、50元~100元(750円~1,5
00円)だそうですが、同じ上海にある理
髪店であっても、日本人がオーナーの店の
カット料金は、300元(4,500円)
くらいだそうです。
とはいえ、両者のカット技術に大きな差は
ないのに、オーナーの衛生面に関する考え
方には差があるそうです。
すなわち、ローカルの理髪店は、平気で店
内に犬を入れるのに、高級店では店内に犬
は絶対に入れないそうです。
そこで、清潔にカットして欲しい客は、料
金が高くても、高級店でカットをするそう
です。
そして、向井先生は、犬のいる理髪店の写
真をときどき見て、自分も同じことをして
いないか戒めるようにしているそうです。
すなわち、犬を店内に入れる理髪店は、顧
客が本来望んでいることを理解できないま
ま、苦しい経営を続け、事業をなかなか軌
道にのせられないでいるので、向井先生自
身も自らの事業を拡大するための阻害要因
に気づかないままでいないか、注意するよ
うにしているそうです。
このような向井先生の姿勢は、「他山の石
以(も)って玉を攻(おさ)むべし」とい
う故事に通じる考え方であり、私が改めて
述べるまでもありません。
ただ、今回、向井先生の姿勢を記事にした
理由は2つあります。
ひとつは、自分のことはなかなか見えにく
いので、よほど注意しなければならないと
いうことです。
前述の、上海のローカルの理髪店も、店を
繁盛させたいと考えつつ、そうならない原
因を自分で作っており、かつ、その原因を
自分では気づかないでいるところが最大の
問題です。
ふたつめは、ひとつめの問題の、さらに踏
み込んだ原因ですが、業績が上向かない原
因は、自分(内部)によるものではなく、
環境(外部)にあるものと考えがち、すな
わち、自分にとって都合の悪いことは他人
の責任にしてしまいがちということです。
これは、人は自分を正当化する傾向がある
ので、こうならないようにするには、やは
りよほどの注意が必要になります。
むしろ、前述の理髪店と同様に、自社の事
業がうまくいかない会社の経営者が、その
改善点をなかなか見つけられないでいるの
は、その原因を外部にあると考えてしまう
からではないかと思います。
もちろん、事業の発展を阻害する要因は、
内部だけにあるとは限りませんが、見つけ
にくいところにこそ、ターニングポイント
になるようなものが潜んでいる可能性もあ
ります。
そして、向井先生が、弁護士として高い評
価を受けている理由は、向井先生ご自身が
前述のような姿勢で自らを律しておられる
からなのだということだと思います。
さらに、今回の記事の内容は、私にそのま
まそっくりあてはまります。
私に自身にも改善を要するところは多々あ
ると感じていますので、向井先生を見習っ
て、引き続き精進していきたいと考えてい
ます。
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