鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経理規定と会計情報の正確さ(2)

今回は、前回の記事の続きで、「会社に経

理規定がないと、なぜ、会社の会計処理が

不正確になるのか」ということについて、

説明します。


とはいっても、これから説明することは、

簿記を知っている方にとっては当たり前の

ことなので、特に真新しいことではありま

せん。


これまでに私が見て来た、会計処理が不正

確な会社の具体的な例を挙げると、売上原

価を、会計期間中の仕入額総額としている

会社がありました。


ちなみに、売上原価は、売上原価=期首棚

卸高+期中仕入高ー期末棚卸高という式で

計算します。


でも、前述の会社が、期中仕入高のみを売

上原価としていたのは、実地棚卸をしてい

ないことが原因と考えられます。


それでは、その会社は、なぜ、実地棚卸を

行っていないのかという理由ですが、恐ら

く、実地棚卸だけを行っていないというこ

とではなく、会計記録自体をきちんと行っ

ていないのではないかと思います。


すなわち、仕入を行ったときに受け取った

領収書などを保管するだけで、決算日が過

ぎた後、その金額の合計額だけを売上原価

にしているのでしょう。


似たような例として、売上高についても、

本当は、製造業や卸売業では製品・商品を

発送した時点で計上することが一般的です

が、代金が口座に入金となってから、それ

を売上としている会社を見たことがありま

す。


これも、意識してそうしている訳ではない

ようで、恐らく、製品・商品を発送したと

きに売上を計上するという会計記録を行わ

ず、決算期が過ぎてから、銀行の預金通帳

などを見て、入金された金額を売上として

いるのでしょう。


ここでは単純な例をあげましたが、要は、

会計記録そのものを行うという体制がない

ために、事後的にわかる資料だけで決算を

行っていることが、不正確な会計情報しか

えられない原因になっているということな

のだと思います。


では、経理規定があると、正確な会計情報

が得られるようにのかということですが、

もちろん、経理規定をつくっただけでは正

確な会計情報を得ることはできません。


このことは、会社に「経営理念」はあるけ

れど、額に収められているだけで、役員・

従業員がそれを意識せずに事業活動をして

いては、経営理念の意味がないということ

と同じです。


まず、事業活動は会社によってまちまちな

ので、中小会計要領をベースにして、自社

にはどのような会計処理が望ましいかを検

討し、その結果を経理規定として定めて行

きます。


その次に、その経理規定に基づいた会計処

理を確実に遂行できるようにするために、

体制を整えなければなりません。


そうすることではじめて、より正確な会計

情報が得られるようになります。


これに対して、「会社は帳簿付けのために

事業をしているのではない」ということを

考える経営者の方もいると思います。


これについては、多々、説明をしたいので

すが、過去に経理の大切さについて述べた

ことがあるので、その記事をご参考にして

いただきたいと思います。


(ご参考→ https://bit.ly/2SVYTnP


話をもどして、会計記録をきちんと行って

いなければ、それだけで会計情報は不正確

であり、粉飾を行うことさえできないとい

うことは、ご理解いただけると思います。


もちろん、会計記録をきちんと行っていな

い会社でも、例えば、架空の売上を計上す

るということはできなくはありませんが、

そのような単純な粉飾は、比較的に見破ら

れやすいものであり、銀行からみれば、そ

のような会社は珍しくないと感じる程度の

ものです。

 

 

 

 

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