元外交官で、現在は評論家の宮家邦彦さん
が、ラジオ番組で、厚生労働省の新型ウィ
ルスへの対応についてお話しておられまし
た。
（ご参考→ https://bit.ly/2T2tj6D ）
要旨は、「厚生労働省の新型ウィルスへの
対応に関しては、批判されてしかるべき点
はあるが、『マンデーモーニングクォー
ターバック』のように、批判だけで終わっ
てはいけない、というものです。
この、マンデーモーニングクォーターバッ
クとは、米国で、日曜の夜に行われた、ア
メリカンフットボールの試合について、そ
れを見ていたファンが、月曜日の朝になっ
てから、自分がその試合のクォーターバッ
ク（アメリカンフットボールのポジション
のひとつで、攻撃に関する司令塔の役割を
担う人）であったかのように、試合の結果
を批評することをいうそうです。
少し意味が違いますが、日本で言えば、傍
目八目（おかめはちもく）のようなものだ
と思います。
宮家さんのお話の主旨は、厚生労働省の担
当者としては、その時点でできる限りのこ
とを尽くしたが、後になって失敗だったと
評価されてしまうことも出てくる。
だからといって、国民は、単にそれを批判
するだけではなく、次の危機対応に活かせ
るような助言も与えるべきだということの
ようです。
そして、これも私が述べるまでもなく、宮
家さんの主張に賛成する人は、ほぼ１００
％だと思います。
しかしながら、どうしても、人は、他人の
したことを、「できて当たり前」のように
批判してしまいがちです。
もちろん、アメリカンフットボールのよう
に、プロフェッショナルとして試合に出て
いる人は、ファンから批判されることは、
ある面では仕方がないと思うのですが、ビ
ジネスにおいては、なんでも批判すればよ
いということにはならないと思います。
例えば、私は、コンサルタントとして、顧
問先の社長が実践したことについて、結果
がどうであれ、批判することはしません。
（ただし、私が批判するかどうかは別とし
て、経営者の方の行ったことについて、結
果責任が生じることはあります）
その理由は、これも当然のことですが、コ
ンサルタントの仕事は、顧問先の方の批判
ではなく育成だからです。
でも、経営者の方が避けなければならない
ことは、批判されてしまうことを理由にし
て、改善のためも活動を何もしないことで
す。
したがって、私は、何も行動をしようとし
ない顧問先の社長には、改善するための行
動をするよう依頼します。
繰り返しになりますが、人の行動は、その
人でないとわからないことがあったり、興
味本位の無責任な人もいることから、批判
されないようにすることはほぼ不可能であ
り、批判を避けようとしていては、何も行
動できなくなります。
私がこの記事を配信していることについて
も、配信していることや、配信している内
容について批判されることはありますが、
何もしないことへの批判に比べたら、その
批判を耳にする価値は、はるかに小さいと
思います。
確かに、マンデーモーニングクォーター
バックのように、他人の失敗をおもしろそ
うに話す人もいますが、そのような人は、
自分自身ではあまり行動をしたことがない
ために、他人を安易に批判できるのであっ
て、そのような無責任な人からの批評は、
気にするだけ無駄でしょう。
ちなみに、私が銀行に勤務していた時も、
融資相手の会社が、事業の改善のための活
動をしているかどうかは注視していたし、
その結果は決算書などを見ることで伝わっ
てきました。
中には、銀行の目を気にして、何かを始め
て失敗したらたいへんなことになると感じ
ている経営者の方もいると思います。
でも、残念ながら、実際には改善活動をし
ようとしない経営者の方が圧倒的に多いの
で、仮に、改善活動に着手して、それが失
敗してしまったとしても、改善に努力して
いる経営者の方は、当然に評価されます。
今回、述べて来た内容は、多くの方が理解
しているとは思いますが、心理的な面で行
動に移すことができていない人が多いと思
いましたので、記事にしました。
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