鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

金融行政方針(1)

金融庁が、8月28日に、令和元年事務年

度の金融行政方針を公表しました。


(ご参考→ https://bit.ly/2Zkzzwy


今回から数回に分けて、この方針に関する

私の感想述べたいと思います。


まず、この方針を読んで感じたことは、い

くつかの金融機関が不祥事を起こしたこと

による金融庁の変化です。


例えば、今回の方針には「心理的安全性」

という言葉が登場しています。


87ページに記載されたコラムによれば、

「金融機関と金融庁の対話に当たっては、

心理的安全性』が重要である。


昨年、地域生産性向上支援チームが行った

一部地域金融機関との対話では、監督・被

監督の関係がある中でも『心理的安全性』

を確保するよう努め、フラットな対話を行

うことを心がけた。


その結果、経営理念や戦略の背景・理解等

につき、経営トップだけではなく本部各部

門・営業店における様々な階層の職員から

率直に意見を伺うことができた。


また、対話を重ねることで、金融機関の経

営理念や戦略等の具体化や現場での浸透状

況を含む経営の実情・課題をより深く理解

し、金融機関との間でお互いにその認識を

共有するに至った」と書かれています。


私が銀行に勤務していた経験からは、正直

なところ、検査を受けているときに、行政

機関の職員の人には、機嫌を損ねられたら

困るというプレッシャーはありました。


今回の方針で、金融庁が、「『心理的安全

性』の確保に努めた」と述べていても、こ

れで、検査を受けている銀行の職員のプ

レッシャーがなくなるかというと、100

%はなくならないでしょう。


それでも、昨年は、このような方針で、金

融庁が検査や監督に臨んできたということ

は評価できると思います。


だからといって、これは、金融庁が銀行に

配慮するようになったからという理由がす

べてであるとは、私は考えていません。


むしろ、金融庁自身の都合によるものだと

思います。


というのは、商工中金スルガ銀行などの

不祥事が起きたことに対し、監督官庁であ

金融庁の監督体制に多くの疑問が投げか

けられたことが、このような金融庁の姿勢

の転換につながったのだと思います。


すなわち、金融庁が銀行に検査に入ったと

きに、銀行からいいようにあしらわれ、表

面的な検査しかしていなかったということ

を、表向きは金融庁は認めないとは思いま

すが、実質的には認めたのだと思います。


そこで、実効性のある検査を行うために、

銀行側からなるべく本音を引き出したいと

いう必要性に駆られたのでしょう。


今後、この方針転換がどれくらいの効果を

もたらすかはまだ見極められませんが、あ

る意味、しっかりとした監督はしてもらわ

なければ、また、不祥事を起こす金融機関

が現れてしまうので、ぜひ、実効性のある

監督を実現して欲しいと思います。


この続きは、また、次回に述べたいと思い

ます。





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