鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

設備導入のための融資の資金追跡

以前、設備導入のための融資を受けたとき

の、銀行の資金追跡について述べたことが

ありました。


(ご参考→ https://bit.ly/2G9wtja


その際は、銀行は、融資実行直後に、その

融資金を入金した口座から、設備代金を送

金することが、設備導入のための融資の条

件になっているということについて述べま

した。


(実際は、融資契約書を書いてもらうとき

に、設備代金の送金依頼書も一緒に提出さ

せ、融資金の入金と設備代金の送金が一連

の処理として行われます)


私は、そこまでしなくても、後付けで設備

を購入した相手の発行した領収書を提出し

てもらえればいいのではないかとも思うの

ですが、ある意味、前述のような処理は、

銀行の慣例になっており、その条件は今後

も変わることはないでしょう。


ただ、そのような銀行の資金追跡にも限界

はあります。


融資を受ける会社と、設備を販売する会社

が、あらかじめ打ち合わせをしておき、融

資金が設備を販売する会社に送金されてき

ても、実際に設備を販売せずに、設備を販

売する会社が、いくばくかのリベートを受

け取った残りを、融資を受けた会社に戻す

といった、架空の販売契約によって銀行を

あざむくことができます。


私が銀行に勤務していた時は、むしろ、こ

ちらの確認の方が大切と考え、時間があれ

ば、新たな設備が実際に会社に納品されて

いるということを事後的に確認するように

努めていました。


また、設備を販売する会社は巻き込まず、

融資を受ける会社が、いったん設備を購入

し、それほどの時間が経たないうちに、そ

の設備を転売して銀行をあざむくことも可

能です。


そういったことが行われたかどうかを銀行

が確認するには、やはり、これも事後的に

なりますが、決算書に記載されている設備

の明細を確認します。


ここまで書いてきたことは、融資直後の送

金は、ある意味、銀行が注意義務を果たし

ていることをアピールするという性格で

行っている面があり、本当の資金追跡は、

事後的にしか行うことができないというこ

とです。


そこで、銀行が設備導入のための融資の承

認を検討する際は、融資する相手が、銀行

をあざむく可能性についても考慮していま

す。


とはいえ、融資はお金を貸すことですか

ら、もともと信用できない相手には融資を

行うことはできないのですが、それでも、

普段から融資相手の経営者と接していて、

正直な人であるか、それとも、口はうまい

けれど腹の中では何を考えているかよくわ

からない人かというような要素は、融資判

断に迷うときに大きく影響してきます。

 

 

 

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