鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経済のゼロ成長の地方銀行に与える影響

先日、久留米大学商学部教授の塚崎公義さ

んが、ダイヤモンドに寄稿した「地銀を過

去最大の苦境に追い込んだ2つの原因」と

いう記事を読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/2xJqzAG


これまで、多くの報道機関は、地方銀行

収益悪化に関して、「低金利による収入減

少」とか、「目利き能力の不足による消極

的な融資姿勢」といった、見当違いな報道

ばかりしてきましたが、塚崎教授のご指摘

は、正確に地方銀行の現状を述べておられ

ると思います。


塚崎教授によれば、地方銀行の収益悪化の

原因のひとつは、日本経済がゼロ成長であ

ると、新たな運転資金の需要はなく、設備

資金は返済が進むのみで、銀行の融資残高

が減ることになる、ふたつめは、一時的に

倒産件数が少ない中で、信用力に見合った

金利よりも低い金利で融資をしてしまって

いるということです。


これらは、ひとことで言えば、銀行にとっ

ての「パイ」が小さくなっているというこ

とです。


一部には、銀行がコンサルティング機能を

発揮して、融資相手の資金需要を増やすこ

とで、融資を伸ばすことができるという方

法を主張する人もいます。


この考え方が必ずしも間違っているわけで

はないと思いますが、銀行がコンサルティ

ング機能を発揮して資金需要を増やすこと

ができたとしても、銀行全体の収益構造を

変えるほどの資金需要は、現実的には増や

すことは不可能でしょう。


仮に、それができるのであれば、とっくに

日本の経済全体が回復しているでしょう。


ふたつめは、銀行は融資相手の会社からコ

ンサルティング報酬を受け取ることが禁止

されており、「コンサルティング機能」を

発揮するというのは、コストの面から融資

相手に助言をする程度の支援に留まってし

まいます。


金融庁も、銀行が融資相手のコンサルティ

ングを行うべきと考えているのであれば、

銀行がコンサルティング報酬を受け取るこ

とを認めるべきでしょう。


今回の記事の結論は、経済活動が成長がし

ていない中では、資金需要も、単に、伸び

ないだけではなく、減ることになってしま

うので、銀行の経営環境は、逆風の中にあ

る状態だということです。


したがって、日を追って、銀行の合併・統

合に拍車がかかっていくことになるでしょ

う。

  

 

 

 

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