鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社長の給料は天井がないが底もない

今回も、前回に引き続き、古屋悟司さんの

ご著書、「『数字』が読めると年収がアッ

プするって本当ですか?」から、私が注目

したところをご紹介したいと思います。


過去の古屋さん自身である主人公は、花屋

を開業しましたが、当初は、次のような状

況だったようです。


「朝5時に起きて、市場で花を仕入れ、店

にもどって商品を並べ、開店の準備。


営業時間内は、花を配達をしたり、銀行へ

釣銭用の硬貨の両替に行く。


閉店したら、レジを締め、月末日であれば

給与の支払いをする。


年中無休を掲げて出店したので、休日もな

い。


教材販売会社の営業マンの時は、教材を売

るだけで売上の20%をもらえたが、いま

は、売るだけでなく仕入や店舗管理など、

1から10まで全部自分でやって、売上の

10%も会社に残らない。


そして、営業マンのときも、教材が売れな

ければ給料がゼロだったけれど、いまは売

上が減ってしまえば、給料がゼロどころか

借金が増えてしまう」


この古屋さんの会社のかつての状況は、多

くの中小企業でも見られる状況ではないか

ということを、私の中小企業のご支援の経

験から感じています。


しかし、古屋さんは、前回までに述べて来

たように、商品の値上げをするという抜本

てきな改善をすることにしたのですが、一

方で、多くの会社では、銀行に融資を受け

て解決をしようとしていると思います。


確かに、融資を受ければ、当面の商品仕入

代金や従業員の給与支払資金を確保できま

す。


でも、それは根本的な対策ではなく、もし

獲得できる利益が少ない状況が続いたり、

赤字の状況が続いたりすれば、融資だけが

増え、銀行からの支援は受けられなくなっ

てしまうでしょう。


今回の記事の結論は、融資を受けることに

よって当座の資金不足を解消するという短

期的な問題を解決することはできますが、

事業を継続できるようにするという、根本

的な課題の解決にはならないということで

す。


このことはここで改めて述べるまでもない

ことなのですが、古屋さんのご著書を読ん

で、利益を得る事業体質にならなければ、

融資が膨らむだけに終わる、すなわち、底

なしの状態から抜け出せなくなるというこ

とを改めて感じました。


もし、業況の芳しくない経営者の方が、現

状を変えるための決断をせず、問題を先送

りするだけなのであれば、経営者としての

役割を十分に果たしているとは言えないで

しょう。


そして、繰り返しになりますが、そのよう

な経営者の経営する会社に対しては、銀行

からの支援は長くは続けてもらえません。

 

 

 

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