［要旨］
銀行から融資を受けることは、ゴールではなく、利益を得るための活動のスタートなのですが、手段と目的を取り違えている会社は少なくないようです。しかし、手段と目的を取り違えたままでは、事業は行き詰まってしまうので、その状態を早く解消することが大切です。
［本文］
前回、融資のコツとして、利益を得ることということを述べましたが、逆に、融資を受けた会社の経営者の方は、融資を受けることをゴールにしてしまい、利益を得ることまで気が回らないという方も多いように感じています。そのような状況になってしまう理由として考えられることは、融資を得ることに労力を使い切ってしまうということもあると思いますし、融資を受けることができれば、少しの時間は事業を継続できるので、安心してしまうからではないかと思います。
ただ、繰り返しになりますが、銀行は資金繰の支援しかできないのであって、利益を得る活動は、経営者と従業員の方でしかできません。すなわち、銀行から融資を受けた時点で、それをスタートととらえ、その後、利益を得る活動に力を尽くしていただくことが、銀行からの期待に応えることになるでしょう。
ただ、これは、実際に会社の資金繰のご支援をして感じることなのですが、どうしても、利益を得ることよりも、資金繰を維持すること、すなわち、銀行から融資を受け続けることにばかり関心が向く経営者の方は少なくないようです。そこで、資金繰の維持だけで精一杯の状態の会社の経営者の方は、会社の事業の目的は何なのか、経営者の方や従業員の方の役割は何なのかを、いま一度確認することが大切でしょう。目的と手段を取り違えている状態が続いていれば、会社の事業は、早晩、継続できなくなってしまいます。
