鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社員が1番、取引先が2番、顧客が3番

島根県松江市の建設会社、島根電工株式会

社の社長、荒木恭司さんのご著書、「『不

思議な会社』に不思議なんてない」

( https://amzn.to/2NbLtOT )を拝読しま

した。


島根電工は、人口が減少している地域で営

業しているにもかかわらず、毎年、増収・

増益を続けており、平成29年6月時点で

の、グループ会社を含めた売上高は150

億円を超えているようです。


そして、好調を続ける同社を率いる荒木さ

んが書いた本の中で、最も印象に残った言

葉は、「社員が1番、取引先が2番、お客

さまが3番で、4番は地域、5番は株主」

です。


荒木さんは、最年少の34歳で営業所長に

なったとき、倒産寸前のスカンジナビア

空の事業を立て直した、ヤン・カールソン

の本を読み、それからヒントを得て、自社

も、建設業からサービス業に転換すべきと

考えるようになったそうです。


ここから先は詳細は割愛しますが、サービ

スで顧客を感動させるためには、従業員満

足度を高めなければならず、そこで行きつ

いた方針が「社員が1番、取引先が2番、

顧客が3番」ということのようです。


とはいえ、私は、この荒木さんの方針が、

普遍的であるとは考えていません。


ほかの会社では、これとは異なる方針の方

が適切な場合もあるでしょう。


ただ、どのような方針であれ、荒木さんは

自社の事業はサービス業というの事業領域

ドメイン)を定義にし、そのためにどの

ような方針が適切かということを明確にし

て、それを実践しているところが、業績を

高めるための土台の部分だと思います。


この土台がなければ、どのような戦術も、

単にうわべだけのものとなり、うまく実践

できないでしょう。


これは、これまで何度か繰り返して私が述

べて来ましたが、多くの経営者の方は、業

績を向上させるために、何を売るか(何を

やるか)を考えがちですが、現在は、どう

やって売るかが業績の良しあしを決めるポ

イントになっています。


だから、従業員満足度を高めることが大切

になってきているのですが、実は、経営者

の方にとって、その課題の難易度は高いと

感じる方が多く、後回しにされがちなよう

です。


一方、荒木さんは、ご著書の中で、次のよ

うに述べておられます。


「自社が赤字の経営者の多くは、赤字の理

由を社外に求める。


景気が悪い、政策が悪い、自社の業種はも

うからない業種だ、近所に大きな会社が進

出してきた、自社の立地が悪いなど。


このように、理由を自社以外のところに求

めると、自社を改善しなくてすむことにな

るが、そのままでは赤字から抜け出すこと

はできない。


だからこそ、顧客に真摯に向き合って、真

に顧客の欲しいものを提供できるように自

社を変えていくしかない」


この荒木さんのご指摘は、的を射るご指摘

ではあるものの、口で言うほど容易ではな

いとも思っています。


ただ、私は、業績が悪い会社の多くが、打

ち手が尽きているということではないと考

えており、その根拠は、この荒木さんのご

指摘するところと同じです。


難しい課題ではあるものの、「何をする

か」ではなく「どうやるか」へ考え方を変

えるだけでも、業績は変わる可能性は高い

と、私は考えています。

 

 

 

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