鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業再生の肝はマネジメント

経営コンサルタントの古尾谷未央さんのご

著書、「新米社長チワワvs政府系金融機

関-ストーリーでわかる!企業再生と銀行

取引」( https://amzn.to/2S7mzns )を拝

読しました。


本の内容は、銀行からリスケジュールを受

けなければならないような状態だった会社

の社長を、父親から引き継いだ主人公が、

政府系金融機関の支店長だった財務部長と

いっしょに、事業再生をしていくというス

トーリーです。


会社の財務内容を改善するノウハウ本はた

くさんありますが、この本は、ストーリー

仕立てで、とても理解しやすく書かれてい

ます。


しかし、ウルトラCのような特殊な手法が

紹介されているという訳ではありません。


基本的な手法の実践の積み重ねによって、

事業が徐々に再生して行く様子が書かれて

いますし、私も、それが本来の事業再生の

仕方だと思います。


その中で、特に参考になったことのひとつ

は、「同じ業種でも黒字の会社と赤字の会

社があるが、それは、マネジメント体制を

構築できたかどうかの差であり、経営者の

手腕が問われるところだ」と書かれていた

ところです。(197ページ)


単に、受注した仕事を受けて行くという成

行管理では、自社の事業を改善できる余地

はありません。


私も、現在、業績が振るわない中小企業の

赤字の要因の大きな部分は、成行管理で事

業が行われているからだと考えています。


でも、経営者が、ひと、もの、かねの経営

資源を有効に活用して行こうという能動的

な姿勢になるだけでも、業績はよい方向に

変わっていきます。


これに気づいた主人公は、会社の決算書の

従業員への開示、顧客ごとの採算管理、管

理会計の導入、多能工化など、さまざまな

施策を実施していきます。


こういった施策を打ち出すことができるよ

うになるのは、マネジメントこそが社長の

役割であるということを理解できているか

らでしょう。


よく、「何をすれば、業績を改善できるの

か」と考える方がいますが、その前に、

「社長の軸足はどこに置くべきか」が大切

だと思います。

 

 

 

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