鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

中小企業診断士の薦め

中小企業診断士は、資格を持つ人でさえ、

中小企業診断士は足の裏の米粒(=持っ

ていても食べられないもの)」と自嘲する

ことがあります。


(ご参考→ https://bit.ly/37ICZt4


ただ、そもそも、試験に合格すれば収入が

約束されているという資格は、あまりない

と思います。


むしろ、中小企業診断士に限らず、ほとん

どの資格は、資格取得後も、収入を得るた

めの努力も必要なので、「足の裏の米粒」

との例えは、本質的な指摘ではないでしょ

う。


その一方で、ちょっと古い情報ですが、日

本経済新聞社が、ビジネスパーソンを対象

に、2015年に実施した調査では、新た

に取得したい資格の1位は中小企業診断士

となっており、人気のある資格でもありま

す。


(ご参考→ https://s.nikkei.com/2OfHTWE


ということで、もし、読者のみなさんが、

中小企業診断士に関心があれば、今回の記

事を参考にしていただければと思います。


私が、中小企業診断士の資格を取得したメ

リットとして感じることのひとつは、金融

機関の人に信頼してもらえるということで

す。


中小企業診断士は、税理士などと比較し

て、認知度はあまり高くないですが、金融

機関の職員の中には、有資格者も少なくな

く、また、取得を目指している人も多いの

で、顧問先の取引銀行などを訪問しても、

あまり怪しまれることなく、お話をきいて

もらうことができます。


メリットのふたつめは、中小企業診断士

士のつながりができることです。


一般的に、会社員の方は、自社、または、

取引先、同業者など、いわゆる業界だけの

つながりでしか、なかなか人脈を持つこと

はできませんが、中小企業診断士が参加す

るイベントなどに自らも参加することで、

自らのキャリアと異なるキャリアを持つ、

他業種の人たちと接触することができ、そ

うしていくうちに、新たな気づきを得るこ

とができるようになります。


そしてみっつめのメリットとして感じるこ

とは、これは私が最も大きなメリットと感

じているのですが、「経営」を体系的に把

握できるということです。


というのは、これは、中小企業診断士試験

の最大の特徴であると思うのですが、一次

試験は7科目(経済学・経済政策、財務・

会計、企業経営理論、運営管理、経営法

務、経営情報システム、中小企業経営・政

策)あるということです。


このような、幅広い分野を一度に受験しな

ければならないところが、中小企業診断士

試験の難易度を高くしている最も大きな要

因だと思います。


(現在、一次試験は、科目合格の制度があ

り、一次試験に不合格となっても、60点

を取った科目は、翌年と翌々年の試験を受

験する場合は、申請することによって免除

してもらうことができますが、税理士試験

の科目合格とは異なり、繰越できる期間は

2年間だけとなっています)


そこで、中小企業診断士を目指す人は、自

分が経験したキャリアなどの得意分野だけ

でなく、経験していない分野の知識も習得

する必要があります。


この点が、逆に言えば、試験に合格した後

の強みにもなります。


もし、私が、中小企業診断士の資格を取得

することなく、コンサルタントになってい

たとしたら、銀行勤務のキャリアしかない

ので、財務・資金調達という狭い部分での

コンサルティングしか行うことができない

と思います。


とはいえ、実際は、中小企業診断士であり

ながら、私のコンサルティングは、財務関

連のコンサルティングが中心になっていま

す。


でも、財務面での課題を改善するには、財

務に関する活動と、販売、生産、購買、労

務、経営管理全般などの活動との関係まで

把握していないと、適切な提案はできませ

ん。


以前、ある経営者の方から、「会計事務所

の職員さんに、『もう少し利益を増やさな

いと赤字になってしまうので、客単価を上

げるようにしてください』と言われたが、

それができるんだったら、とっくにやって

いるよ」という不満をきいたことがありま

す。


財務分析をすると、どこを改善しなければ

ならないかは分かりますが、どう改善する

かまでを含めて助言できなければ、専門家

の助言としては、物足りないものになりま

す。


前述の例では、利益を増やすために客単価

を上げるという方法については間違いがあ

りませんが、客単価を上げるためにはどう

するかという部分まで言及しなければ、そ

れをきいた側は、あまり役立つものとは感

じないでしょう。


客単価を上げるには、付加価値を高める、

ポジショニングを変更する、従業員の販売

スキルを高めるなどの方法がありますが、

それらに言及するには、生産管理、営業管

理、労務管理の分野に関する知識も求めら

れます。


このうような助言は、中小企業診断士であ

れば、比較的容易にできると思います。


もちろん、中小企業診断士の資格を持って

いない経営コンサルタントの方の中にも、

幅広い助言をできる人もたくさんいますの

で、念のために付言しておきます。


話を戻して、中小企業診断士の資格を持つ

方の中には、コンサルタントとして活動し

ようとしている方だけでなく、自らが経営

者として必要な知識を身に付けるために、

資格を取得したという方もいます。


もし、読者のみなさんが経営者で、かつ、

中小企業診断士にご関心があれば、ぜひ、

資格取得することをお薦めします。

 

 

 

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