私が融資申請のお手伝いをするときに、よ
く直面する課題となることは、銀行に納得
してもらえる資料を作るためのデータがそ
ろっていないということです。
具体的には、資金繰予定表を作成するため
のデータをすぐに用意してもらえません。
経営者の方から見れば、現状はお金が足り
なくなることはわかっているのだから、そ
れが伝わればいいのではないかとお考えに
なると思いますが、銀行は、単にお金が足
りなくなるかどうかだけでは融資の可否を
判断できません。
融資の申し込みにあたって、基本となるの
は、融資をしたあとの資金繰の見込みなの
ですが、資金繰表で見るもののひとつは、
いつ、融資を返済してもらえる資金流入が
あるかということです。
ここまでは多くの経営者の方も理解してい
ただけると思います。
次に見るものは、今後、資金不足が続くと
しても、その資金不足が、売上による資金
の差に収まる見込みかどうかということで
す。
これは、本来は、損益計算書で確認するべ
きことなのですが、資金不足には大きく分
けて2つの理由があり、売上が増加するた
めに発生する資金不足と、事業がもうかっ
ていないために発生する資金不足です。
粗っぽい説明ですが、売上が増加している
場合、資金不足も増加しますが、売上もそ
れ以上に増加します。
ここまでの説明からご理解いただけると思
いますが、事業がもうかっていない場合の
資金不足の場合、銀行はその会社への融資
を躊躇します。
直ちに融資を断るとは限りませんが、少な
くとも、業績の見込みが回復するかどうか
という説明を求めることになります。
そのため、まず、資金繰予定表には、資金
不足の原因が、売上の増加によるものか、
事業がもうかっていない(=赤字)による
ものかが銀行に伝わるようにしなければな
りません。
それが伝わるようにするには、おおまかに
述べると、資金の出入りを、(1)材料の
仕入れや商品の売上などによる流れ、
(2)人件費・家賃などの主に固定費の流
れ、(3)融資を受けたり融資を返済した
りするなどの金融による流れに分けて資金
繰予定表を作成する必要があります。
冒頭に述べた、「銀行に納得してもらえる
資料を作るためのデータがない」というの
は、例えば、経営者の方や経理の方が、預
金通帳だけを見て資金管理をしていると、
そのようになってしまいます。
今回の記事の結論は、前述のような、資金
の流れを3つに分けた資金繰表を作成する
だけで、融資申し込みはかなり楽になると
いうことです。
よく、銀行は自社のことを理解してくれな
いという不満を持つ経営者の方がいます
が、これは厳しい言い方ですが、銀行に自
社を理解してもらえるデータを提供してい
ないという例もかなり多いと私は感じてい
ます。
経営者の方は、必ずしも銀行の都合に合わ
せて資料を作る必要はありませんが、とは
いえ、前述のような資料は、少なくとも
「銀行のために」作る資料であるとは私は
考えていません。
この、3つの資金の流れを管理できなけれ
ば、そのような経営者が経営する会社の資
金管理はいわゆるどんぶり勘定の状態であ
り、経営者の方は自社を黒字にするための
管理そのものを行っていないと言えます。
なお、建設会社用ですが、資金繰予定表の
サンプルがありますので、ご関心のある方
は、こちらからダウンロードしてくださ
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います。ぜひ、ご登録ください。→
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