鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

人を動かすには

先日、共同通信の元記者で、現在は参議院

議員の青山繁晴さんのお話しをYoutu

beで聴きました。


青山さんは、新聞記者になりたいという若

者からの質問に対して、次のように答えて

いました。


(ご参考→

https://youtu.be/tlHz1FrKc_o )


「採用試験を切り抜けるためのノウハウ

を学んで、面接などに臨むべきではない。


それは、一時的なものであって、面接相手

には、自分たちに媚びているということを

見抜かれてしまう。


自分の経験を述べれば、共同通信の採用面

接のときに、面接官のひとりであった編集

局長からどのような記者になりたいかと問

われて、自分の考えを述べた。


これに対して、編集局長は、自分と真逆の

考え方をしていて、自分を批判した。


そこで、不採用になることを覚悟で、編集

局長に反論を述べた。


ところが、後日、共同通信から採用内定の

通知が届いた。


そのため、共同通信の人事部長に会いに行

き、なぜ、採用してもらえることになった

のかを尋ねた。


人事部長は、面接で、編集局長におもねら

ず、自分の意見を貫いたことを評価されて

君を採用することにしたのではない。


君の提出した作文は、結論を最初に書き、

その後、その詳細を説明するという書き方

をしていて、それを、面接官のひとりだっ

た国際局長が評価した。


国際局長は、君の採用に反対していた編集

局長に、このような文章を書く人に、当社

の記事を書かせてみたくないかと説得し、

それが決め手となったと説明してくれた。


このように、自分を隠さずに話しをするこ

とで、自分に同調する方が現れる。


自分は記者になってからも、仕事として取

材に来ているのではなく、自分が取材をし

ているのは、世の中のためになるという信

念をもって取材に来ているということが伝

わるように話すことで、政治家や犯罪被疑

者からも信頼され、本心を話してもらうこ

とができた」という内容でした。


この話を聴いたとき、私は、銀行職員時代

に会った、何人かの融資先の経営者の方を

思い出しました。


これは、自分が言えるような立場にはあり

ませんが、融資を受けたいという経営者の

方の半数くらいは、やはり、有利な回答を

得たいとの思いから、銀行から見て調子の

いいことをお話します。


(念のために付け加えておくと、そのよう

な経営者の方からの、いわゆるおべっかに

は、私は銀行職員として気を付けていまし

た。


中には、融資先の経営者の方に傲慢な態度

を示す職員もいましたが、私は、融資先の

経営者の方は銀行職員に頭を下げているの

ではなく、銀行の看板に頭を下げていると

いうことを常に忘れずにお話しをきくよう

にしていました)


しかし、そのような方は、どうしても、そ

の場しのぎで事を進めているためか、会社

の業績はなかなかあがりません。


一方、少数でしたが、業績はなかなか上向

かないものの、実直に課題に向かっている

経営者の方は、決して楽ではなさそうでし

たが、ピンチには強い会社でした。


そういう会社の経営者の方は、口はうまく

ありませんでしたが、所作から考えが伝

わってきますし、融資担当者としても、努

力が報われて欲しいと感じ、応援もしたく

なりました。


とはいえ、今回の記事に書いたようなこと

は、すでに多くの方がお気づきのことで、

目新しいことではありません。


それでも何度も話に出てくるということは

実践できないでいる人が多いということで

しょう。


そういう自分も、自己都合で動いてしまっ

たり、他人に気に入られたいという思いで

動くことが少なくありません。


その一方で、私自身にも、多くの方に協力

してもらいながら実現したいという目標が

あります。


それを実現するからには、青山さんの言葉

を胸に刻んで、協力者を増やしていきたい

と改めて思いました。

 

 

 

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