鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

悟りジプシー

かつて放送されていたバラエティ番組の

ぶっちゃけ寺にご出演されていた、

倉敷市高蔵寺住職の天野高雄さんが、

ご自身がパーソナリティを務めるラジオ

番組で「悟りジプシー」について批判

しておられました。


「悟りジプシー」とは、いろいろな

ところへ行って、仏教の知識を聞き

かじり、理解したつもりになるものの、

少し経ったらまた不安になり、別の

ところへ行って再び仏教の知識を聞き

かじりに行くという人のことの

ようです。


このような人は、私からみても、中途

半端な人だと分かるのですが、恐らく、

天野さんの指摘したいことは、悟り

ジプシーは、真の問題を直視しないと

いうことではないかと思います。


すなわち、何らかの仏教の教えが、

不安な自分を救ってくれると思い、

仏教について学ぶものの、またすぐに

不安を感じ、別の知識を得ることで

それを取り繕うとすることを批判して

いると私は考えています。


このような人は、他人が自分を救って

くれるという依存心が強く、自分の

精神力を強めるという本質的な対策を

避けてばかりいるのでしょう。


そして、私が悟りジプシーについて

言及したのは、会社経営者の方にも

同じようなことをしている人が少なく

ないと私が感じているからです。


とはいえ、悟りジプシーのような

状態にある人は、石の上にも三年と

いう諺が戒めていることであり、

昔から悟りジプシーのような人はい

たということでしょう。


ただ、最近は、悟りジプシーのような

経営者が増えやすい環境にもなって

きていると思います。


すなわち、「だれでも簡単にできる

ビジネス」、「あしたからあなたも

成功者」というような売り文句の

書籍やセミナーを、最近は多く

見かけるようになりました。


そのような売り文句につられて

しまうと、近道をするようで、

結局は遠回りになってしまうことに

なってしまうことは、多くの方が

理解されておられることでしょう。


だからといって、「売り文句に

つられてしまう人はおろかだ」と

いうことは一概には言えないとも

思っています。


なぜなら、最初からどういった方法が

よい方法なのかということをきちんと

理解できる人は少数だからです。


問題は、初めのうちは何度か失敗を

繰り返しても、どのような方法が

よい方法なのかという、真贋を

見分ける目を、どれだけ早い時期に

持てるようになるかということだと

思います。


ただ、前述の悟りジプシーのような

方は、そもそも「方法」にばかり

依存してしまうので、いつまで

経っても成功にたどり着くことは

できないでしょう。


結論は、派手で近道と思える方法は

魅力的ですが、地味で遠回りと思える

方法もときどき見直してみることも

お薦めしたいということです。

 

 

 

 

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