数か月に1回程度ですが、近所の
回転すしのお店で食事をすることが
あります。
そのお店では、タッチパネルで注文を
するのですが、注文の内容に応じて
ルーレットが回り、あたると割引券を
もらうことができます。
ただし、残念なことに、その割引券は、
その日の食事には使うことができず、
次回以降のときでないと使えません。
これについては、私は、
別の意味で残念に感じています。
というのは、
次回以降の食事のときに使える
割引券というのは、
売る側からみれば、
顧客の来店回数を増やすことを
ねらっているのでしょう。
私は、これは、
短絡的であると考えています。
だからといって、単純に、その日の
食事を割引できるようにするだけで
よいということではありません。
割引券があたった顧客には、
会計のときに、「お客さまは、
きょうは割引券があたりましたので、
お会計を10%値引いたします。
本当にラッキーでしたね!」
などと、ひとこと加えることの方が、
得をしたというより強い印象を持って
もらうことができ、強く次回の来店を
うながすことになると、
私は考えています。
このような考え方は、
セブン&アイ・ホールティングスの
元CEOの鈴木敏文さんも
持っていたようです。
というのは、かつて、
同社傘下のスーパーマーケットで
「5%還元セール」を行ったとき、
販売時に5%を値引くのではなく、
いったん値引かずに商品を販売し、
顧客がレシートを特設カウンターに
持って行ったときに、そこで現金で
5%相当額を返金するということを
鈴木さんの指示によって行った
ことがありました。
「5%の還元を受けた」ということを、
レシートの数字を見るだけではなく、
特設会場で現金で受け取るという
経験をさせることによって、
より強く印象づけるということが
鈴木さんの狙いだったようです。
前述の回転すしの割引券に
話をもどすと、そのお店は、
ルーレットだけで顧客の
来店回数を増やそうとしている
ことが残念に感じるわけです。
本当に効果がある販売促進策と
いうものは、
人手を使うものでなければ、
表面的なものに終わって
しまうでしょう。
(注:写真と本文は関係ありません)