鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

現場主義

経営コンサルタントの望月広愛さんのご書

著「文句ばかりの会社はもうからない!」

( http://amzn.to/2fiuPhw )に、平成18

年に公開された「県庁の星」という映画が

紹介されていました。


この映画は、織田裕二が演じるエリート県

庁職員が、人事交流でスーパーマーケット

に派遣され、柴咲コウが演じる、高校中退

のパート店員に指導係になってもらい、

スーパーマーケットの仕事を教わりなが

ら、やがて、民間の知恵を習得してスー

パーマーケットの業績を上げていくという

ストーリーです。


望月さんは、この映画で、公務員は前例踏

襲を金科玉条にするが、そのような考え方

は間違いで、顧客の要望に応えることを最

優先すべきであるということが学べると、

ご指摘しておられます。


これは、専門用語で、事実前提(前例を踏

襲したり、規則に盲目的に従うことを是と

する価値観)ではなく、価値前提(顧客の

要望に積極的に応じることで、獲得する利

益を増やすことを最優先とする価値観)が

大切だということです。


私は、この望月さんのご指摘のほかに、も

うひとつ、大切なことがこの映画で学べる

と感じました。


それは、接客業では、現場が豊富な知識を

持っているということです。


映画の中では、ときどきクレームの常習者

が来店するのですが、その対応は、柴咲コ

ウが演じるパート店員の二宮が対応すると

いう暗黙の了解が、従業員の間にできてい

ました。


というのも、二宮は勤務歴が長く、その

スーパーマーケットでは特殊な対応は二宮

にしかできなかったようです。


私は、そのような方法が必ずしも最善とは

思わないのですが、マニュアルに解決方法

が書かれていない仕事を、否応なく現場の

従業員はこなさざるを得ないということで

す。


これを言い換えれば、「人」を相手にする

商売は、マニュアルでは対応できないもの

ばかりであり、実地でノウハウを習得する

するしかないということです。


私も、かつて、銀行で働いているとき、顧

客をよく知っている窓口の女性職員に助け

てもらったことが何度もありました。


例えば、ある顧客から頼まれた仕事でミス

をしてしまったとき、窓口の女性職員に相

談すると、その会社の誰にどのように言え

ば許してもらえそうであるとか、場合に

よっては、その女性職員とその会社の社長

は仲がいいので、代わりに謝ってもらえた

ということがありました。


この例は、トラブル対応についてですが、

それ以外にも、直接顧客と話す機会のある

窓口の職員は、いろいろな情報を持ってい

て、そういった情報を営業活動のためにも

使っていたりしました。


正に現場主義だと思います。


とはいえ、事業活動の方針を決めるときに

現場の意見に偏りすぎることも問題がある

と思いますが、そういった情報を活用する

仕組が社内で共有できると、会社の営業力

は高まるものと私は考えています。


ちなみに、詳細な説明は割愛しますが、そ

のような現場の情報を活用とする仕組みと

して、ナレッジマネジメントシステムが開

発されています。

 

 

 

 

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