鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

成功者への妬み

先日、「地方を滅ぼす成功者への妬みのひ

どい構造」という、東洋経済新報社のネッ

ト記事を読みました。


(ご参考→ https://goo.gl/pVdG99


私も、銀行勤務時代に、この記事に書いて

あるような事例を見ることがありました。


地方では、地縁、血縁が強いことから、銀

行の融資取引のときは、その相手と他の会

社との関係にも気を配っていました。


例えば、ある会社から融資の依頼を受け、

それに応じると、その会社と血縁の強い会

社に対しても、同じ条件で融資をしなけれ

ばならなくなるということもあります。


(ここでいう血縁のある会社とは、経営者

同士が、親戚であったり、かつて同じ会社

で働いていた上司と部下の関係であったり

する会社をいいます)


本当は、会社の業績によって融資条件は変

えたいところなのですが、世間体や面子を

重要視する経営者は、自社の業績がよくな

くても、よい会社と同じ条件での取引を無

理強いをしてくることもあります。


そういった会社に対しては、銀行も、本音

では、有利な条件で融資を受けたければ、

業績をよくすればいいのにと考えているの

ですが、特に地方銀行のような、「地元」

を持つ銀行は、そのような無理強いを断る

ことは難しい状況にありました。


話を戻して、ご紹介した記事にあるような

成功者の足を引っ張るような慣例は、かつ

て、地域にある会社の中に業績の差ができ

てしまうことによって、落伍者が出てしま

うことになるので、それを防ごうとする暗

黙の了解があったためにできあがったもの

だと思います。


しかし、いまは、地方においても、交通の

便がよくなってきたことから、中小企業で

も広い地域で事業を展開するようになって

きており、「地元の会社」という考え方を

する人は減ってきていることから、ご紹介

した記事にあるような成功者の足を引っ張

るような風習は、徐々になくなっていくも

のと、私は考えています。


そして、その記事にもあるように、「挑戦

者を支え、成功者を称えることが地域を発

展させる」ことが、特に現在においては大

切だと思います。

 

 

 

 

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