鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

手間をかける効果

以前、税理士の金成祐行先生から、顧問先

の社長に、自社の経理記帳を3年間行って

もらったら、その社長から、自社のお金の

動きが把握できるようになり、改善すべき

点も見つけられるようになったということ

を聞きました。


(ご参考→ https://goo.gl/eR9LLc


同様のことは、他にも事例があり、経営コ

ンサルタントの小山さんが自ら経営してい

る株式会社武蔵野(ダスキンの加盟店)で

は、賞与は現金で支給しているそうです。


これは、単に賞与明細に書かれている金額

だけで自分の査定の結果を把握してもらう

のではなく、現金の入った封筒の厚さで結

果を実感してもらう方が、士気が高まると

いう小山さんの思惑によるようです。


もうひとつの例を挙げると、かつて、大手

スーパーのイトーヨーカ堂が、20%の

キャッシュバックセールを行ったことがあ

ります。


これは、当時の同社会長の鈴木敏文さんの

アイディアで、顧客にいったん割引前の価

格で買い物をしてもらったあと、特設会場

でレシートを提示してもらい、その金額の

20%を現金で受け取ってもらうというこ

とをしたそうです。


単に、割引をするのであれば、買い物をし

たときに、割引後の金額だけを支払っても

らえばいいのですが、あえて後から割引分

の現金を受け取ってもらうという手間のか

かる手順をとることで、割り引きを受けた

という実感をしてもらうことを狙ったよう

です。


正直なことを書くと、私は、ペーパーレス

派であり、キャッシュレス派なので、前述

のいずれの手法も個人的には支持しようと

いう気持ちにはなれません。


でも、人は感情で動く面があるということ

も事実です。


そういう意味では、五感に働きかける戦術

も有効であると思います。


いや、むしろ、ビジネスは「ひと」が相手

なのだから、感情を重要な要素に考えなけ

ればならないということが、今回の記事の

結論です。

 

 

 

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