先日、配信された、瑞岩寺住職の長谷川
俊道さんのポッドキャスト番組で、ゲスト
としてご出演されたいた、弁護士の鳥飼
重和先生が、会社の責任の取り方について
お話しされておられました。
( ご参考→ https://goo.gl/kBdAvR )
具体的には、平成25年に起きた、食材
偽装問題では、千葉県浦安市のテーマ
パーク内のホテルが先に発覚した。
しかし、その後、同社への批判はあまり
大きくならなかった。
しかし、その後に発覚した大阪府の
ホテルでは、批判が大きくなり、社長が
辞任するに至った。
両者で結果が異なったのは、テーマパーク
では、最初からすべてを公開したため、
その対応が評価され、批判はあまり時間を
経ずに収まったが、ホテルでは、最初から
偽装の一部しか公表せず、後になってから
さらに偽装が発覚したことから、批判が
大きく広がったと、鳥飼先生は分析して
おられました。
ここまでの記述は、「経営者は正直になる
ことが大切」という内容になりますが、
もう少し話を広げて、会社の社会的責任に
ついて述べたいと思います。
虚偽を述べることの是非は言及するまでも
ありませんが、肝心なことは、自社さえ
よければよいという姿勢で事業を行う
ことは、かえって自社の事業の支障になる
ということです。
これも、建前を述べているように感じ
られてしまうかもしれませんが、人口が
減少傾向にある日本では、いわゆる
「おめこぼし」をしてもらえる余地が
少なくなってきていると私は考えて
います。
例えば、日本の多くの会社が、仮に、
子どもを授かった女性の従業員の方には、
退社してもらうという不文律を受け入れ
させていたとしたらどうなるでしょうか。
出生率の低下は加速し、遠くない将来、
自社の従業員となるであろう若者が増々
減少し、また、顧客としての若い世代も
減少に拍車がかかるでしょう。
これも言及するまでもありませんが、
自社の従業員の方に育児休業をとらせる
ことが負担と考える会社も少なくないよう
ですが、実は、それは自社の経営環境を
悪化させることでもあります。
前述の、食材偽装にしても、偽装が続け
られていたら、法的、道徳的な責任
以外にも、正当な製品を生産している
生産者が打撃を受け、ホテル側が、
本当にその食材を買いたいときに、
きちんと提供を受けられなくなる
可能性が高まっていきます。
これは少しきつい表現ですが、そもそも
おめこぼしを前提に事業をしている
会社は、早晩、事業が行き詰るのでは
ないかと思います。
もし、事業に臨んでいる中で、ルールを
守れないかもしれないと感じたときは、
事業の目的、経営者の役割をいまいちど
考え直す必要があるでしょう。