よく、経営者の方は「徹底的にやれ」と
いう言葉を口にすると思います。
では、この徹底的とはどういう意味で
しょうか。
大辞泉によれば、「中途半端でなく一貫
していること。すみずみまで行き届く
こと」と書いてあります。
しかし、私は、この大辞泉の記載は、
「徹底」されていないと感じています。
なぜなら、経営コンサルタントの
小山昇さんの著書の、「仕事ができる
人の心得」( http://amzn.to/2sAPUZ7 )
には、「徹底するとは、他人が見たら
以上と思うほどの執念をもって、実行
すること」と記載されています。
この本は、小山さん自身が社長を務める
会社の武蔵野さんで、「経営用語解説」
として使っていたものから、社内規定を
除いた部分を出版したものです。
武蔵野さんでは、毎日、経営用語解説の
なかから、15~20個くらいの用語を
全員で声を出して読んでいるそうです。
経営用語の社内での周知も、小山さんは
「徹底」して行っているようです。
ここまで小山さんの会社について述べて
きましたが、今回の記事で伝えたい
ことは、社内でのコミュニケーションは
本当に徹底が大切だということです。
例えば、「これを至急やってくれ」と
部下に仕事を依頼した上司が、「いつに
なったらできあがるのだ!」と職場で
いらいらすることがあると思います。
これに対し、同書では「クイック
レスポンスとは、よい返事をしようと
して遅くなるより、2時間以内に連絡し、
教えていただく。
スピードが命。
相手は早く報告が欲しいから頼んでくる」
と定義しています。
とはいえ、私は、2時間以内に連絡する
ことが必ずしも正しいとは限らないと
思います。
「クイック」というものは、事業内容や
業種によって考え方が異なるでしょう。
ここで大切なのは、言葉の定義を予め
明確にしておくということです。
ですから、小山さんは、社内で「経営
用語解説」を作り、毎朝、社内で読み
合わせをしているのでしょう。
ここまで「徹底」していれば、社内で
言葉の行き違いが起きず、上司が
いらいらするということは起きない
でしょう。
もし、経営者の方が従業員の方に対して
自分の言っていることが伝わらないと
感じているとしたら、それは、従業員の
方の責任ではなく、経営者の方が社内の
コミュニケーションを円滑にするために
徹底した言葉の定義を行っていないから
だと考えるべきでしょう。
コミュニケーションは組織の3つの要素の
うちのひとつです。
その円滑化を図ることは、経営者の方の
重要な役割のひとつです。
むしろ、それは、経営者の立場以外では
実行は困難でしょう。
「自分の言っていることを部下はまったく
『忖度』しない」などと感じている
経営者の方は、会社の活性化は進まない
でしょう。